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パパゲーノが大切にする支援の考え方「支援員7原則」とは?

「パパゲーノ Work & Recovery」は、精神障害や発達障害のある方がパソコンを使ってITスキルを学び、自分らしく生きることを応援する就労継続支援B型事業所です。2023年9月に八幡山で開所して以来、2025年3月には用賀、2025年5月には下高井戸でも活動を開始し、3拠点で約100名の障害のある方が在籍し活躍しています。

事業所が成長していく中で、私たちが大切にしている支援の考え方を改めて言語化し、スタッフ間で共有することの重要性が増してきました。利用者さん一人ひとりが自分らしく輝ける環境を維持し続けるためには、支援の軸となる考え方が一貫している必要があるからです。

この記事では、私たち支援員が日々心掛けている「パパゲーノの支援員の7つの原則」を、その背景にある理念とともにご紹介します。

すべての根底にある理念:「ワーク」と「リカバリー」

7つの原則を説明する前に、私たちの事業所名「パパゲーノ Work & Recovery(ワーク・アンド・リカバリー)」に込められた想いについてお話しします。

ワーク (Work)

私たちが考える「ワーク」とは、単にお金を稼ぐことではありません。その本質は**「他者に貢献して感謝されること」にあると考えています。多くの場合、人は他者へ貢献することを通じて、自らの「生きがい」「存在価値」**を実感できると信じています。

リカバリー (Recovery)

「リカバリー」は、私たちの支援における究極的なゴールです。この概念は、マイナスをゼロにする「リハビリテーション」の考え方とは明確に異なります。

リハビリテーションが「失った機能を取り戻す」「マイナスをゼロにする」という考え方であるのに対し、リカバリーは「自分らしい生き方を回復していく」「自分の人生を取り戻していく」ことを意味します。過去の状態に戻ることではなく、自分らしさを追求していく未来に向けた旅路そのものを指します。

【精神障害のリカバリーとは?】定義や起源、支援の方法をわかりやすく解説

パパゲーノ Work & Recovery 支援員の7原則

上記の理念を日々の支援で実践するために、私たちは以下の7つの原則を、私たちの実践における揺るぎない土台としています。

1. 他者貢献と自分らしさの追求(ワーク&リカバリー)を重視する

事業所名にもなっているこの原則が、パパゲーノの支援員の最優先事項です。他者に貢献し感謝される機会(ワーク)と、利用者さん一人ひとりが自分自身の生き方を探求する過程(リカバリー)の双方を両立できるよう支援します。

2. 利用者さんの自分らしい生き方の回復を第一に考える

従来の就労支援では、「週5日、遅刻せずに通える」「挨拶がきちんとできる」といった、いわゆる「模範的な労働者」を育成することに偏りがちでした。しかし、パパゲーノの支援は、そのような特定の型にはめるためにあるのではありません。あくまで利用者さん本人の「リカバリー」が目的であり、その人が自分らしい生き方を実現し、人として尊重されること(人権の回復)を何よりも大切にします。

3. 疾患名や属性でカテゴライズせず、その人を見て理解する

「〇〇障害だからこうだろう」といった、疾患名や属性による決めつけはしません。一人ひとりと真摯に向き合い、その人自身が持つ個性、考え方、背景を理解することに努めます。私たちはレッテルではなく、目の前の「その人」を見ます。

4. 挨拶や声かけ、体調チェックを大事にする

パパゲーノでの仕事は、パソコンに向き合う個人作業が中心です。だからこそ、支援員からの積極的なコミュニケーションが不可欠です。通所時の挨拶や日々の声かけ、体調チェックなどを通じて、利用者さんの心身の状態を把握し、必要な時に「能動的に」支援員から声掛けできる関係性を築きます。

5. 本人のいないところで勝手に決めない

利用者さんに関する重要な事柄を、本人のいない場所で支援員だけで勝手に決定することは決してありません。意思決定のプロセスには、必ずご本人が主体的に参加していただきます。

6. 課題ではなく、できることに目を向ける(ストレングスモデル)

パパゲーノの支援員は、利用者さんの「苦手なこと」「できないこと」ではなく、その人が持つ「強み」「得意なこと」「好きなこと」に焦点を当てます。これは「ストレングスモデル」という考え方に基づいています。強みや才能を活かすことで、その人らしいリカバリーの道筋が見えてくると信じています。

7. ルールを限界まで減らし、自由に挑戦できる環境を作る

障害福祉施設では「運営側のリスクをゼロにするため」に多くのルールが作られます。しかしパパゲーノでは、ルールを可能な限り減らし、利用者さんが安心して自由に挑戦できる文化を育むことを目指します。

自由な挑戦こそが「リカバリー」に不可欠だと考えるからです。この自由に挑戦できる雰囲気は、支援者であるスタッフ同士でも大切になります。スタッフ自身が個性豊かに挑戦する姿が、利用者さんから「勇気をもらいました」と言っていただけるような、活気あるチームを作ります。

パパゲーノの支援の理論的背景

これら7つの原則は、ソーシャルワークや経営における確立された理論に基づいています。

  • リカバリー (Recovery): 過去の状態に戻るのではなく、自分らしい生き方を追求し、自分の人生を取り戻していくプロセス。
  • 社会モデル (Social Model): 障害は個人の中にあるのではなく、社会環境側にあるという考え方。個人を変えるのではなく、環境を調整することに重点を置きます。
  • IPS (Individual Placement and Support): 「働きたい」「挑戦したい」という本人の思いに対して、疾患名や状態を理由に誰一人として排除しないという就労支援モデル。
  • ストレングスモデル (Strengths Model): 本人の課題や欠点ではなく、強みや才能、関心事に焦点を当てて、それを活用していく支援モデル。
  • ネットプロモーター経営 (NPS): 毎月、利用者さんに「このサービスをどれくらい知人におすすめしたいですか?」と尋ねる経営手法です。寄せられた点数とコメントをもとに、具体的なサービスの改善に活かしています。例えば、「コミュニケーションの機会が物足りない」という声があれば、ランチタイムに話す機会を設けるといった、迅速な改善につなげています。
【ストレングスモデルとは?】人の強みやサポート資源に着目した支援について解説 【IPS援助付き雇用とは?】精神障害の個別就労支援についてわかりやすく解説 【ソーシャルワークとは?】定義や原則、日本での歴史的変遷をわかりやすく解説

一人ひとりの「自分らしい生き方」を応援するために

多くの方々はパパゲーノの強みを「生成AIやテクノロジーの活用」だと認識されていますが、僕たち自身は、その根底にある「リカバリー」を中心とした支援の考え方こそが、最大の強みであると考えています。

支援者や社会の「正しさ」ではなく、「利用者さん本人がどう思うか」を何よりも尊重する。この姿勢を大切に、パパゲーノは会社のパーパスである「生きててよかった」と誰もが実感できる社会の実現を目指します。

やすまさ
やすまさ

僕たちの理念に共感してくださった方、パパゲーノでの活動に興味を持たれた方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

利用者としてのご相談はもちろん、支援スタッフとして一緒に働きたいという方からのお問い合わせも心から歓迎します。事業所見学にもぜひいらしてください!

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パパゲーノの支援員7原則
  • 「他者貢献 & 自分らしさの探求(Work & Recovery)」を重視する
  • 利用者の「自分らしい生き方(人権)の回復」を第一に考える
  • 疾患名や属性でカテゴライズせず、その人を見て理解する(一般化しない)
  • PC作業だからこそ、通所時の挨拶や声かけも大切にする
  • 本人のいないところで勝手に決めない
  • 課題ではなく「できること」に目を向ける
  • ルールを限界まで減らし、自由に挑戦できる環境・風土を作る
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