就労継続支援B型でChatGPTとWhisperによるAI支援記録モデルを実証しアプリを開発
精神障害・発達障害のある方の創作活動・就労支援サービスと企業のDX支援サービスを提供する株式会社パパゲーノ(東京都杉並区、代表取締役:田中康雅)は2024年3月26日、音声解析AIを活用した支援現場向けのDXアプリ「AI支援さん」をリリースし、導入時の初期費用10万円が無料となるキャンペーンを開始することをお知らせします。
音声解析AI支援記録アプリ「AI支援さん」
「AI支援さん」は、面談記録やケース会議の記録をスマホの録音ボタンを押すだけで作成できる支援記録アプリです。AIが音声を自動で文字起こし・要約することで、記録の心理的負担を軽減し、スタッフ間での情報共有を円滑にします。
サービス資料は下記WEBサイトよりダウンロードいただけます。
【対象】
面談やケース会議を実施する支援現場の事業者
(障害福祉施設、訪問看護、カウンセリングルーム、鍼灸院、漢方薬局など)
【AI支援さんの主な機能】
PC不要!スマホで誰でも支援記録ができる(テキスト・音声)
音声を録音すれば自動で文字起こしして、要約を他のスタッフに共有できる
スタッフ会議の録音・記録にも活用できる
記録データに「タグ」をつけて検索しやすくできる
※WEBアプリケーションのため、スマホ、タブレット端末、パソコンで利用することができます。
【無料トライアル】
下記のWEBフォームより、無料トライアルにお申し込みいただけます。お気軽にお申込みください。
<無料トライアル申込みWEBフォーム>
https://forms.gle/TiKzXZS1UnAVg9vg8
【料金】
初期費用:10万円
利用料:月額1万円〜
AI支援さんについてよくあるご質問
Q.パソコンでも利用できますか?
パソコンでも、タブレット端末でも、同様の機能が利用できます。
Q.福祉施設以外の支援現場でも使えますか?
使えます。介護福祉施設に限らず、カウンセリングルーム、訪問看護、鍼灸院、薬局などでご利用いただくことも可能です。
Q.音声文字起こしの精度はどれくらい高いですか?
面談記録として実用性のあるレベルの精度で文字起こしとChatGPT(GPT4)による要約ができるよう、就労継続支援B型「パパゲーノ Work & Recovery」にて実証実験を行い調整しております。
普段は自動要約された記録をスタッフ間のミーティングで共有し合う使い方を想定しています。
詳細を確認する時は、全文のテキストを読んだり音声を聞き直すことを推奨します。
Q.事業所内の支援記録の管理体制や業務フロー全体を改善する相談もできますか?
はい。支援記録に限らず、支援現場の情報管理、業務改善のご相談もいただけます。東京で就労継続支援B型事業所「パパゲーノ Work & Recovery」を多様なDXツールを活用して運営している知見を元に、支援現場のDXのご相談に乗ります。
また、オプションサービスとして事業所での研修、AI支援さんの導入以外も含めた事業所全体のDXのコンサルティングサービスも提供可能です。
※「就労継続支援B型」とは障害者総合支援法に基づく就労支援サービスの1つです。一般企業との雇用契約に基づく就労が困難な方に対して、就労の機会の提供を行います。
初期費用無料キャンペーン
2024年3月26日(火)〜2024年4月30日(火)の間でAI支援さんの「無料トライアル」を実施して、アプリに対するご意見を伺うアンケートに回答いただくと、通常10万円の初期費用が無料になるキャンペーンを開催します。
支援現場で働くみなさまの声を聞きながら、共に良い支援を広めるDXに何が必要かを考えていきたいです。AI支援さんの改善にご協力をいただけますと幸いです。
<無料トライアル申込みWEBフォーム>
https://forms.gle/TiKzXZS1UnAVg9vg8
【AI支援さんの通常料金】
初期費用:10万円
利用料:月額1万円〜
【AI支援さんのキャンペーン料金】
初期費用:0円
利用料:月額1万円〜
試験運用したユーザーの声
AI支援さんは株式会社パパゲーノが運営する就労継続支援B型「パパゲーノ Work & Recovery」を含む「5社」の支援現場で既に試験運用しており、ユーザーの声を反映した改善を重ねて、本日の正式リリースに至っております。
<東京都内 就労移行支援事業所 施設管理者様>
ケース会議に使っています。各々の意見がシンプルにまとまっていて、見返すのに使えています。要約の精度の高さに驚きました。
<東京都内 自治体障害福祉課 研修会担当者様>
就労支援施設向けの研修会にてケース討論の記録にも、AI支援さんを活用してみたいと思っています。
4/6(土)に東京でAI支援さん無料体験会を開催
音声解析AI支援記録アプリ「AI支援さん」の無料体験会を2024年4月6日(土)11:00〜12:00に開催します。ご興味ある方は気軽にご参加ください。
【AI支援さん無料体験会の詳細】
【参加定員】
20名(先着順となりますことをご了承ください)
【開催日時】
2024年4月6日(土)11:00〜12:00
【体験会の対象者】
どなたでも歓迎します
(福祉施設の支援者・スタッフの方、AI支援さんの利用に興味のある医療従事者の方、学生、企業の方など)
【開催場所】
パパゲーノ Work & Recovery(就労継続支援B型)
〒168-0074 東京都杉並区上高井戸1-13-1 ルート上高井戸ビル 2階A号室
(京王線 八幡山駅から徒歩5分)
【参加登録方法】
無料体験会の参加登録はGoogleフォームよりお願いします。
https://forms.gle/QUUs77RsPyo4Aaq48
なぜ、スマホと音による支援現場のDXが必要か?
①深刻な人手不足と支援者の負担
中央福祉人材センターの 2024年1月の「職業紹介実績報告」によると、2024年1月の福祉全般の有効求人倍率は「4.31倍」でした。
2023年4月の正規職員の有効求人倍率は、一般企業等が「1.32倍」なのに対して、福祉全般は「4.50倍」、障害福祉は「6.56倍」と他業界と比較して必要な人員が足りていない状況が伺えます。
求人を出していた844の福祉事業所の2 617人の募集に対して、実際に採用できた人数は1509 人、「充足率 」は 57.7% で、14.1%にあたる事業所には応募がこないのが現状です。
厚生労働省の2022年度「過労死等の労災補償状況」によると、精神障害の労災補償は、請求件数が2683件(337件増)、決定件数が1986件(33件増)、支給決定件数が710件(81件増)と増加傾向です。業種としては従前から「医療・福祉」の「社会保険、社会福祉、介護事業」が請求件数327件で最も多く、障害福祉の支援現場で働く「支援者の負担軽減・メンタルヘルスケア」が業界の深刻な課題と言えます。
②DXの壁は「自治体の独自ルール」と「支援現場のITインフラ不足」
日本の障害福祉のDXが進まない要因は「自治体の独自ルール」と「支援現場のITインフラ不足」の2つです。
そのため、私たちは「地域ごとの部分最適への対応」と「スマホを用いたDX支援」が日本の障害福祉業界を変革する鍵になると考えています。
【a.自治体の独自ルール】
日本の障害福祉サービスのDXが進まない構造的な課題として、自治体ごとにルールが異なり全国単位で業務を標準化できていないことがあります。自治体独自のExcelや紙の書式で、直筆サインとハンコを押した書類の提出を障害のある方や民間事業者に求めているのが実情です。
例えば、杉並区で開所している就労支援施設は杉並区の自治体独自ルールに従えば良い訳ではありません。利用者の居住地の自治体に都度ルールを確認する必要があります。当然ながら、杉並区にある施設には、世田谷区、調布市、新宿区や、埼玉県、神奈川県などにお住まいの利用者も来るため、支援現場の業務は非常に煩雑にならざるを得ません。
そのため、業界特化型の「バーティカルSaaS(ソフトウエアサービス)」を開発するだけでは日本の障害福祉業界のDXを推進することは困難で、地域特有のルールや書式に準拠した地域適合の視点が求められています。
【b.支援現場のITインフラ不足】
障害福祉業界はパソコンを使わずに仕事している「ノンデスクワーカー」の多い業界です。障害福祉サービスの市場規模「約3.2兆円」のうち、13.9%にあたる「4432億円」を占める就労継続支援B型では、「97%」が非IT系の清掃、農作業、軽作業などをしています。そのため、利用者も支援者も日々の仕事の中でパソコンを使うことが多くはありません。
パソコンを使ったデスクワーク中心の施設に向けたDX支援ツールは多く提供されていますが、「ノンデスクワーク」が中心の障害福祉施設に対するDXはほとんど推進できておらず、紙での書類管理を継続している事業所が大半を占めています。
そのため、ノンデスクワーカーでも使いやすい「スマホ」を用いたDX支援が求められています。
③DXによる支援の質向上
支援現場のDXを推進することで「虐待や不正の予防」「ナラティブな本人の語る物語の活用促進」「支援者の善意に依存しないサービス間連携の加速」の3つの視点から支援の質向上が期待できると考えています。
【a.虐待や不正の予防】
障害福祉サービスについては、支援内容がブラックボックスに包まれやすく、虐待や不正が支援現場で起きていることが指摘されています。
福祉施設での虐待を受けた人数/相談・通報件数は増加傾向で令和3年度は956人となっています。専門資格が不要な「生活支援員」からの虐待が37.2%と多いのが現状です。支援内容ではなく「通所した事実」「手書きの記録書面」をもとに報酬が発生するため記録の捏造が簡単にできてしまい書類捏造による不正請求も多いと言われています。
プライバシーの観点での議論や本人同意の取得が必要にはなりますが、民間企業がサービス品質や会議の生産性向上、トラブル・ハラスメント対策のために電話や会議を録音・録画しているように、障害福祉サービスにおける面談や会議も録音・録画により客観的なエビデンスを残すことが今後求められてくると考えております。
【b.ナラティブな物語の活用促進】
精神疾患に対する治療として「医学モデル」による診断と投薬を中心としたアプローチだけでなく、個人と社会環境の相互作用にアプローチする視点や、症状ではなく本人の語るエピソードに焦点を当てるPTMF【パワー(Power)・脅威 (Threat)・意味(Meaning)のフレームワーク】、ナラティブ・ベースド・メディスン(NBM:Narrative Based Medicine)への注目が高まっています。
一般的に医療機関(病院・クリニック)に通院した際の問診時間は5分ほどと言われています。5分間で語れることには時間的な制約があります。ですが、障害福祉施設に通所している利用者については、日々の面談で自分の生い立ちや疾患について支援者に対して何時間も自分のエピソードを話しています。その音声や逐語記録、要約データ、支援記録を集積することができれば、医療福祉サービスがより本人のナラティブな語りを支援に活用しやすくなると考えております。
なお、株式会社パパゲーノでは当事者の語りを創業当初より重視しており、多様な「リカバリーの語り」を絵本、音楽、絵画作品などで共同創造するアートプロジェクト「100 Papageno Story」を運営しております。
<100 Papageno Story|100人100色の物語を紡ぐ>
100 Papageno Story<うつ病など メンタルヘルスに効果が期待 リカバリーストーリー|NHK>
https://www3.nhk.or.jp/news/special/sci_cul/2022/10/story/recovery_story/
【c.支援者の善意に依存しないサービス間連携の加速】
現状の医療福祉介護制度は、サービス間の連携により滑らかに個別支援が届くか否かは、現場の支援者の「善意」と「自己犠牲」に依存していると言っても過言ではない側面があります。特に、サービス間の結節点である「相談支援専門員(相談支援事業所)」や「ケアマネージャー」のなり手が不足しており、「忙しすぎて業務が回っていない」という悲痛な声をよく耳にします。面談をコア業務とする相談支援専門員やケアマネージャーや、就労支援事業所など福祉施設のDXをスマホで実現できると、より円滑にサービス間の連携が加速すると考えています。
就労継続支援B型「パパゲーノ Work & Recovery」での福祉DX実証実験
支援現場のDXが急務である日本の障害福祉市場において、株式会社パパゲーノでは2023年9月1日にIT系の就労継続支援B型「パパゲーノ Work & Recovery」を開所し、自社で先端技術を活用した福祉施設運営のあり方を模索してきました。生成AIを中心に多様なテクノロジーを活用し、障害のある方の挑戦機会の拡大と支援現場のDX推進を目指しています。
【9月OPEN】IT系の就労継続支援B型「パパゲーノ Work & Recovery」を八幡山のオフィスビルに新規開所!利用者を募集開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000098762.html
障害ある人就労へ IT習得 渋谷のベンチャーが杉並に支援事業所オープン:東京新聞 TOKYO Web
https://www.tokyo-np.co.jp/article/279236
具体的には下記のツール/サービスを支援現場で利用して、福祉の支援現場に最適なDXの理想モデルを仮説検証してきました。
- Google Workspace:打刻システム、体調チェック、日報、利用者情報管理、個別支援計画の作成など
- Hubspot:問い合わせフォームの作成、問い合わせ管理、メルマガ配信など
- Discord:チャット、画面共有、Googleフォームの回答結果の通知など
- LITALICO仕事ナビ:お問い合わせ管理など
- かんたん請求ソフト:国保連への請求事務など
- CloudPhone:インターネット電話
- eFAX:インターネットFAX
- Open AI社のGPT4(生成型自然言語モデル)とWhisper(音声文字起こしモデル):面談音声、会議音声の要約など
- AWS:音声データの管理など
- bubble:AI支援さんのUI設計など
参考:就労Bが「支援の質」を計測・改善するためにしている12のこと
https://note.com/yasumasa1995/n/n1bd7b5f4f4a9
その一環として開発された「AI支援さん」のプロトタイプは2024年1月末に完成し、就労継続支援B型「パパゲーノ Work & Recovery」で試験運用しながら実用性の伴う形で、面談音声やケース会議の音声を文字起こしと要約ができるようUI/UXやプロンプトの改善をしてきました。
引き続き、福祉×ITの専門性を持つメンバーと障害当事者によるインクルーシブなチームで、日本の障害福祉業界のDXに寄与できる挑戦を続けていきます。
プロジェクト関係者の想い
「AI支援さん」の事業開発は、ソフトウェア開発による新規事業支援を行う株式会社 ispecに開発パートナーとして協力いただきながら挑戦してきました。両社の代表コメントをご紹介します。
株式会社パパゲーノ 代表取締役 田中康雅
「リカバリーの社会実装」に向けた小さな一歩を踏み出すことができました。
パパゲーノではAI支援さんの導入や今後の開発に興味のある方、地域ごとのDXプロジェクトを推進する福祉施設様や自治体様、協業いただける事業会社様を探しています。このプレスリリースを読んでご興味持っていただいた方は気軽にご連絡いただけると嬉しいです!
株式会社ispec 代表取締役社長 島野 耕平
この度、「AI支援さん」の開発をご一緒させていただきましたこと、心より感謝申し上げます。パパゲーノ様のビジョンである『「生きててよかった」と誰もが実感できる社会』は我々のビジョンと通ずるところがあります。特に、近年のメンタルヘルスの問題が複雑化していくなかで、テクノロジーが活かされきれていないということは、共通の課題認識です。
しかしながら、テクノロジーは「技術者」だけで活かすことは難しく、現場理解が非常に重要です。パパゲーノ様は、この現場理解を深めるべく、実際に就労継続支援B型の事業に取り組みながら、こうしたプロジェクトを行っていることは、尊敬に値すると共に、テクノロジーの浸透に大きく貢献するものと考えています。今後も、弊社が一丸となって、「AI支援さん」の開発、普及に貢献し、ビジョン実現を共にできればと考えております。
<ispec inc.>
<音声認識AIで福祉を変える!支援現場の面談DXアプリ『AI支援さん』開発秘話【ispec×パパゲーノ】>
https://prtimes.jp/story/detail/DbDV0mhLWKx
株式会社パパゲーノについて
「生きててよかった」と誰もが実感できる社会を目指して、精神障害に関するリカバリー(自分らしい生き方の追求)を広める神奈川県立保健福祉大学発ベンチャー。企業のDX支援、精神障害のある方の就労支援、アートプロジェクト「100 Papageno Story(ワンハンドレッド・パパゲーノ・ストーリー)」を運営。2023年9月に就労継続支援B型「パパゲーノ Work & Recovery」を開所。2024年3月に音声解析AI支援記録アプリ「AI支援さん」をリリース。
・株式会社パパゲーノ公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/@papageno_jp
・事業に関する問い合わせ先
info@papageno.co.jp