こんにちは。パパゲーノ Work & Recovery(就労継続支援B型)の田中康雅です。今回は、パパゲーノで就労スキルアセスメント表を作成したため共有します。
就労スキルアセスメント表
就労スキルアセスメント表は、デスクワークでの就職を目指す障害のある方が、自分の現在のスキルレベルを客観的に把握し、成長目標を設定するためのツールです。各項目は1〜5の5段階で評価され、段階的なスキルアップを支援します。
活用方法の例
本人が自己評価として点数を記入した後に、上司や支援者が客観的な評価を記入して現状のアセスメントに活用したり、今後の目標設定をする上で「ITスキルを高める」「事務仕事ができるようになる」「デザインを学ぶ」などの抽象的な目標を、より具体化して考えるのに役立てることができます。

就労支援をされている方の参考になれば幸いです。

「パパゲーノ Work & Recovery」は、主に「精神障害」「発達障害」のある方がパソコンを使ってITスキルを学び、自分らしく生きることを応援する就労継続支援B型です。1人1人の希望や体調にあわせて、自分のペースで働くことができます。
就労継続支援B型とは、障害者総合支援法に基づく福祉サービスの一つで、一般企業での就労が困難な障害のある方に働く場を提供し、生産活動などの機会を通じて知識や能力の向上を図るサービスです。
体調管理
活動頻度
体調を維持しながら継続的に働ける頻度を評価します。
- 週1日、仕事ができる
- 週2日、仕事ができる
- 週3日、仕事ができる
- 週4日、仕事ができる
- 週5日、仕事ができる
遅刻・欠席管理
勤務時間を守り、適切な連絡ができる能力を評価します。
- 遅刻・欠席が頻繁にあり、事前連絡をすることができない
- 遅刻・欠席時に最低限の連絡ができる
- 遅刻・欠席の可能性がある時に事前相談ができる
- 規則正しい出勤ができ、やむを得ない場合は適切に連絡・相談ができる
- 遅刻・欠席がほとんどなく、する場合は事前連絡を徹底できている
休養力
適切な休憩を取り、疲労管理ができる能力を評価します。
- 休憩を取ることができない、または休憩時間を守れない
- 決められた時間に休憩を取ることができる
- 自分の疲労度に応じて適切に休憩を取ることができる
- 効果的な休憩方法を実践し、作業効率を維持できる
- 休憩の重要性を理解し、他者にも適切な休憩を促すことができる
体調相談力
体調の変化を適切に相談できる能力を評価します。
- 体調不良を相談することができない
- 体調不良時に最低限の報告ができる
- 体調の変化を適切なタイミングで相談できる
- 体調の変化を適切なタイミングで相談し、業務への支障が出ないように調整できる
- 体調の変化を適切なタイミングで相談し、業務への支障が出ないように調整できる
業務スキル
PC基礎スキル
パソコンの基本的な操作能力を評価します。
- 電源操作やログインなど基本操作ができる
- ブラウザの基礎的な操作ができる
- ショートカットキーなどを活用し効率的に操作できる
- メール送受信や簡単な文書作成ができる
- トラブル時の基本的な対処ができる
情報検索力
必要な情報を効率的に検索し、活用できる能力を評価します。
- 自分に必要な情報を検索できない
- ブラウザを用いてキーワードを使って検索できる
- 目的に応じた検索方法を選択し、必要な情報を効率的に見つけることができる
- 複数の情報源から必要な情報を収集して整理できる
- 検索結果から信頼性の高い情報を選別し問題解決に活用できる
時間配分・納期管理
タスクの進捗管理と納期を守る能力を評価します。
- 指示された期限を守れないことが多い
- リマインドや報告依頼があれば、進捗を報告したり期限を守ることができる
- こまめに進捗報告をしながらほぼ期限内に任された仕事を終えられる
- タスクの優先順位をつけて自らスケジュールを立て、納期を確実に守れる
- 複数案件の進捗を管理し他者の納期管理もサポートできる
業務理解・適応力
業務内容を理解し、状況に応じて柔軟に対応できる能力を評価します。
- 業務内容や目的を理解するのが難しい
- スタッフの説明を受ければ業務の流れを理解できる
- 作業手順をマニュアルから理解し、作業を進めることができる
- 業務の背景や目的を理解し、新しいパターンやイレギュラーな状況にも柔軟に対応できる
- 作業手順やルールの改善案を提案し、より適切な業務遂行に繋げられる
業務相談力
業務上の課題や疑問を適切に相談できる能力を評価します。
- 課題があっても相談せず抱え込む
- スタッフの声掛けや面談があれば相談できる
- 業務内容の疑問点を自分から相談できる
- 相談内容を整理し適切な相手に、適切なタイミングで相談できる
- 他者の業務相談に乗り問題解決をサポートできる
生成AI活用スキル
生成AIツールを業務に活用できる能力を評価します。
- AIツールをほとんど使っていない
- 仕事相談BOTに適切にメンションして質問することができる
- 作業画面のスクリーンショットを撮影して、画像を添付してAIに質問することができる
- ChatGPTを活用し目的に合った回答を引き出せる
- ChatGPTを活用し業務目的に合わせてマイGPTを作ることができる
フィードバック受容
他者からの意見やアドバイスを受け入れ、改善に活かせる能力を評価します。
- 与えられた仕事をすることができる
- 仕事の方法や成果について周囲からフィードバックを聞くことができる
- フィードバックの内容を理解し、感情的に落ち込まず受け止められる
- 顧客や同僚からのフィードバックを適切に求め、業務の改善に活用できる
- 業務の進め方で改善すべき点は、相手に配慮した形でチームや顧客にフィードバックできる
モチベーション管理
自分のやる気を維持し、職場全体の士気向上に貢献できる能力を評価します。
- やる気が安定しない
- スタッフのサポートがあれば作業に集中できる
- 自分なりの方法でモチベーションを維持することができる
- 目標を設定し自らモチベーションを管理できる
- 職場内でモチベーションを高め合えるようなコミュニケーションを実践できる
作業正確性
ミスなく正確に作業を行う能力を評価します。
- 作業に誤りが多く確認が必須
- スタッフの確認を受ければ正確に作業できる
- ゆっくりとであれば正確にマニュアルに基づいた作業ができる
- 効率性と正確性のバランスを取りながらスピード早く正確に作業できる
- 効率性と正確性のバランスを取りながらスピード早く正確に作業でき、マニュアルの改善提案などもできる
学習力
新しいツールや技能を習得し、他者に教えることができる能力を評価します。
- 新しいツールを学ぶことが難しい
- スタッフのサポートがあれば、新しいツールの使い方を学ぶことができる
- 自ら記事や本、動画などから新しいツールの使い方を学ぶことができる
- ChatGPTに質問しながら実践的に新しいツールの使い方を試して問題解決できる
- 習得した新しいツールの使い方を人に教えることができる
就職活動
志望動機のプレゼン力
なぜその企業に入社したいのかを論理的に伝える能力を評価します。
- 志望動機を言葉にすることが難しい
- スタッフのサポートがあれば志望動機を言語化できる
- 特定の求人に対して入社したい理由を「3つ」挙げることができる
- 緊張する環境でも「入社したい理由」を論理的にわかりやすく伝えられる
- 「なぜ他社ではなく、その会社が良いのか?」を伝えられる
強みの自己理解
自分の長所や得意分野を認識し、具体例とともに説明できる能力を評価します。
- 自分の強み(得意)を認識していない
- スタッフのサポートがあれば強みを言語化できる
- 自分の強みを人に説明できる
- 自分の強みを過去の経験(エピソード)を用いて根拠を示しながら人に説明できる
- 自分の強みを就職先の企業に入社した際にどのように発揮して貢献できそうか具体的に人に説明できる
企業・求人の理解
企業研究を行い、求人内容を正しく理解できる能力を評価します。
- 求人票の内容を理解するのが難しい
- スタッフのサポートがあれば求人内容を理解できる
- 企業HPや求人情報を調べて、自分に合うか判断できている
- 業界研究を行い複数企業を比較検討している
- 業界研究を行い複数企業を比較して、会社ごとの違いを人に説明できている
入社後の具体的イメージ
入社後の業務内容や職場環境を具体的に想像できる能力を評価します。
- 入社後の業務イメージが持てていない
- スタッフのサポートがあれば入社後の業務を想像できる
- 自ら調べて入社後の自分の仕事内容や職場環境、同僚との関係性についてある程度イメージできている
- 自ら調べて入社後の自分の仕事内容や職場環境、同僚との関係性について具体的にイメージできている
- 入社後の目標やキャリアプランを具体的にイメージできている
勤怠安定性の証明
安定した出勤実績を示し、企業に信頼感を与えられる能力を評価します。
- 出勤実績が不安定
- 出勤実績や遅刻・欠席の現状を正しく人に説明できる
- 遅刻や欠席をすることはあるが、事前に連絡を徹底し業務に支障が出ない形で勤務ができることを説明できる
- 1ヶ月以上の出勤実績による根拠を示して、週4〜5日決められた時間に勤務することができる力を人に説明できる
- 3ヶ月以上の出勤実績による根拠を示して、週4〜5日決められた時間に勤務することができる力を人に説明できる
配慮事項の相談力
自分に必要な配慮を把握し、適切に相談・調整できる能力を評価します。
- 必要な配慮を把握できていない
- 促されれば配慮事項を伝えられる
- 配慮が必要になる前に相談できる
- 配慮事項を具体的に提案し調整できる
- 他者の配慮事項についても理解を示し、お互いが心地よく業務できるよう調整できる
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事業所に合わせてカスタマイズしてご活用いただければと思います。