金魚、家族 (テキスト版)
少しずつ自分が見えてきて、何が起きているか分かるほど、鋭い痛みに変わっていく。
周りの人に、誰かに話したくてもうまく話せない。
目の前に人はいるのに、優しさで溢れてるのに、温度を感じないからずっと独りで、虫の声に溶けたくなる。
そんなあなたに5色の絵の具を。
緑と黄色で家族、そしてそれらを白で切っている。あなたは滲んだその赤から悲しく目を離したけど、よく見てみて。
「あれ、すごく綺麗」
ね、一緒に友達に見せに行こう。
「素敵な作品」
「かっこいいアート」
そう教えてくれるから。
