2025年5月にパパゲーノに入社した徳増祐大(とくます ゆうた)さんに、入社理由や支援員として働いて感じていることを伺いました! もともと就労継続支援B型に利用者として通所していた立場から、支援者になったことで生まれている葛藤とどう向き合っているのか、じっくり語ってもらいました。
パパゲーノWork & Recovery入社のきっかけ

まずは自己紹介をお願いします。

徳増祐大と申します。就労継続支援B型パパゲーノWork & Recoveryで職業指導員として働いています。

パパゲーノを知ったきっかけ、そして入社の理由を教えていただけますか?

最初は東京新聞のウェブ記事でした。2023年9月に八幡山で開所されたときの記事を見たのが最初のきっかけです。そのときは体調を崩していて応募はできませんでしたが、その後2〜3年経って田中さんが本を出されて、その出版記念の読書会に参加しました。
ちょうど別のB型事業所に通いながら転職活動中で、田中さんとお話したところ意気投合して、そこから1か月ほどで入社が決まりました。

初心者でも入りやすい雰囲気の読書会での出会い

読書会で初めてちゃんとお話ししましたが、印象はどうでしたか?

生成AIをテーマにしていたので堅い場かと思っていたんですが、初心者でも入りやすい雰囲気で驚きました。いろんなバックグラウンドを持つ方がいて、それぞれの意見をまとめる場で、とても学びがありました。

僕は、徳増さんが自作のGAS( Google Apps Script)で頑張って作ったものやウェブサイトを見せてくれて、その姿勢がすごい印象的でしたね。

時間をとっていただいて自分の取り組みを共有できて、ありがたい機会でした。

入社して3ヶ月目の率直な感想は?

入社して3か月ほどですが、率直な感想を教えてください。

一番感じるのは、支援員と利用者さんの距離感が近いことです。他の事業所では上下関係のようなものを感じる場面もありましたが、ここでは同僚のように対等に助け合える関係性があります。
利用者だった頃は、配慮不足や厳しい対応に苦しんだ経験もありましたが、パパゲーノは“ひとりの人”として接してくれると感じています。

具体的にはどんなところでそう感じましたか?

そうですね。障害や病気があるから助けるのではなく、困っているから同僚として助ける。
そんな自然な関係性を何度も感じました。

利用者から支援員になってみての良い面と葛藤

利用者から支援員になってみて、どんな違いや難しさがありますか?

良い面は、利用者さんの気持ちを理解しやすいことです。
ただ、利用者だった経験があるからこそ、支援者としてどう振る舞うかで葛藤することもあります。なるべく利用者さんを第一に考えつつ、事業所全体のことも意識するようにしています。

その姿勢はチームにとって大切です。
利用者目線を持ち込むことは大きな強みだと思います。

パパゲーノの働く環境について感じていること

働く環境について感じることはありますか?

過剰な配慮がなく、ひとりの人として見てもらえていると感じます。
以前の事業所では“障害があるから”“病気だから”という扱いがありましたが、ここでは1 人の自分として見て見ていただいているっていうのは強く感じていてやりやすいなと思います。

なるほど。そう感じてくださってですね。
それってどういうところから感じるんですかね?

対等っていうか、 公平というかに話してて同じ目線で話してるからこそ感じるんじゃないですかね。
また、「ピアサポーター」などの肩書きがあると逆にやりづらいこともあります。
パパゲーノでは、いち支援員という形でフラットに関われるので助かっています。
パパゲーノが目指す理想的な事業所の在り方とは?

逆に質問していいですか?

もちろんです。何でも聞いてください。

今後パパゲーノ社が目指す理想の形ってどういうことがありますか?

事業所の在り方ってことですよね。
2つ目、3つ目と施設を増やしていくにあたって、“支援7原則”を言語化して共有することを大切にしています。精神保健福祉の教科書に書かれているような基本的なことですが、実際の現場で実践するのは難しい。だからこそ言葉にして意識し続けることが大事だと思っていて。やっぱり意識しないと忘れ去られてしまうものですから、それは継続していきたいです。
また、スタッフにもYouTubeに登場してもらうことが多いのですが、支援者自身が自分らしい生き方に挑戦しリカバリーしていることが、利用者さんのリカバリーにつながると考えています。
事業所は、他者への貢献と自分らしさの追求が同時に実現できる場であってほしい。
そんな事業所を作っていきたいと思っています。

パパゲーノWork & Recoveryの考えるリカバリーとは
・精神的な困難を抱えていても自分らしい人生を生きていけるようになること
・WORKの本質は「お金を稼ぐこと」ではなく「他者に貢献し感謝されること」
・労働者育成のための支援ではなく「リカバリーに向けた支援」

答えていただきありがとうございます。
パパゲーノを通じて自分が何ができるのかっていうのを自分の中で模索しています。
日々感じている仲間の良さと頼れているところ

・・・ 仲間っていいですね。

いいですね。仲間に頼れてますか?

言語化が難しい部分があるので、言語化の部分を仲間で相談しつつ頼るところは頼って、自分で解決できるところは自分で解決するという形をとっています。
パパゲーノの支援員として今後挑戦していきたいこと

最後に、今後挑戦していきたいことを教えてください

生成AIの活用をもっと広げたいです。パパゲーノのリカバリーの考え方を全国に広めるために、自分の力を発揮していきたいと思います。

まさに、AI支援を導入する事業所も増えてきていますし、パパゲーノの支援に興味持って見学来てくださるところとか、研修登壇の依頼とかもかなり実は増えてきてたりするので、ここは徐々にパパゲーノの活動を広めていきたいですね。

はい、頑張ります!
徳増さんは、利用者としての経験を糧に支援員として新しいスタートを切りました。支援員として働く中での不安や葛藤もありながら、利用者さんと対等な関係を築きながら、生成AIの可能性を広げリカバリーの理念を全国に広めていく挑戦を応援していけたらと思います。
このインタビューはYouTubeにて動画でも見ることができます。