2025年7月、就労継続支援B型「パパゲーノ Work & Recovery」に新しく支援員として加わった名倉雄嗣(なぐら ゆうじ)さん。前職は小学校の教員、とくに特別支援学級を中心に子どもたちと向き合ってきました。パパゲーノ代表やすまさとの対談を通して、これまでの歩みや転職のきっかけ、そしてパパゲーノでの新たな日々について語っていただきます。
教員から就労支援の支援員という大きな転職

今回は、7月に入社してくださった名倉さんにお話を伺います。よろしくお願いします。

よろしくお願いいたします。名倉雄嗣です。前職は小学校の先生をしていました。

特別支援学級を担当されていたんですよね。

はい。自分はビビりなんですけど(笑)、それでも結構何かとやってみることがすごい好きで、今回の転職もその一つですね。

相当チャレンジャーですよね。

学校を居場所と感じられなかったからこそ教員になった

小学校の先生になろうと思ったきっかけは何だったんですか?

小学生の頃からの夢でした。異学年交流が盛んな学校で、5〜6年生の時に年下の子をまとめることが得意だと感じたんです。その経験から教育に興味を持ちました。卒業文集にも『小学校の先生になりたい』と書いていました。

小学生の頃の夢を、本当に叶えたんですね。すごいです。

実は、小学校の頃は学校が居場所と感じにくくて。でも、逆にこういう思いを持つ人間だからこそ小学校の先生になったらそれこそいろんな子の居場所を作ってあげられるんじゃないかと思ったのもありました。 学校が好きな先生よりも学校がいまいちな先生の方がいまいちな子は救われるんじゃないかと。

その子の良さを引き出せる環境を整えることに意識した教員時代

特別支援学級を担当するようになったのはどんな経緯だったんですか?

大学で“発達障害と教育”をテーマに卒論を書いたこともあり、もともと関心が強かったんです。それで自ら希望しました。支援学級では20〜30人ほどで、5人の教員で支援していました。
働いてみて、どの子にも必ずいいところがあると、今でも強く思っています。大切なのは、その子の良さを無理に引き出そうとすることではなく、自然に引き出せる環境を整えることなんです。そして、一人一人の笑顔をたくさん引き出せるように、いつも心がけていました。

環境調整っていう言葉を僕らは大事にしてたりするんですけど、まさにそういう視点ですよね。

たとえば『拭き掃除が得意』な子には掃除のリーダーを任せる。『やりたい!』と手を挙げたことにはできる限り“オッケー”を出す。そうして子どもたちの笑顔を引き出していくことを常に考えていました。
ただ現実には、先生の仕事量が膨大で、子どもたちをじっくり見たくても見られない環境もありました。精神疾患になる教員も多い。だからこそ仕組み自体が変わっていかないといけないと思っています。
転職のきっかけは教え子との再会

パパゲーノは初めての転職ですよね。

そうです。15年近く教員を続けてきたので大きな決断でした。
きっかけは、教え子との再会です。小学生の頃は明るくて、自分の意見を堂々と発言できる子だったのに、大人になってから会ったときにはその子らしさが失われていて・・・。
その姿に衝撃を受けました。
「大人になってからも、自分らしく働き、生きられる環境が必要だ」と強く感じ、就労について調べるようになりました。そこでパパゲーノを見つけ、理念に深く共感して転職を決意したんです。

パパゲーノとの出会いと共感

どうやってパパゲーノを知ったんですか?

求人サイトで偶然見つけて、まず名前に惹かれました。そして、ホームページを見て、『これは自分の理想の支援と同じだ!』と直感しました。
“ワーク&リカバリー”という名前の意味──『働いて人に喜んでもらいながら、自分らしさを取り戻していく』──にも深く共感しましたし、スタッフの紹介動画を見て、『ここで働きたい!』と強く思いました。
パパゲーノに入社して1ヶ月の実感

実際に入社してみて、どうでした?

YouTubeで事前に見ていた通りの職場でした。

パパゲーノのYouTubeほどんど見られてますもんね(笑)

そうですね(笑)
動画を見ていたのでギャップはなく、利用者さんが笑顔でお仕事されている姿に「ここで働けてよかった」と実感しました。
ただ、これまで教育現場しか知らなかったので、パソコンやチャットツールを使う業務は最初不安でした。でも先輩方が丁寧に教えてくださって少しずつ慣れてきて、今はむしろ面白いですね。学んだことを利用者さんに噛み砕いて伝えられるのも、自分の強みだと思っています。

教員時代に「当たり前」だったことが、当たり前ではなくなった

やっぱり教員の時とは違うこともあるかと思うのですが、教員とパパゲーノ来てからのこの1ヶ月とでどういう部分が違うなって思います?

まぁ・・・、ぜんぜん違いますよね。笑
あまりに違いすぎるのですが、もう連絡の仕方から違います。教員の時は電話が基本でしたけれど、パパゲーノはパソコンを使っての連絡が基本じゃないですか。チャットとかDiscordに送っておけば、後で見てもらった時に返答を貰えたりする。
あと、市役所とかもそうだと思うんですけど、紙が基本です。なので紙がどっさりあるんですけど、パパゲーノでは紙がほとんどない。
今まで当たり前だったことが当たり前ではないので驚きの毎日です。
あと、あれすごいですよね!仕事相談BOT!

仕事相談BOTすごいですよね〜。

あれすごいんですよ。本当にすごいんですよ。
同じ質問を同じ人に繰り返しする気まずさってあるんですけど、 AIはそれがないんですよね。
何回でも同じことを聞けるから、最新のAI を使ってる会社はすごいなって思います。

「仕事相談BOT」と言って、パパゲーノでは業務のマニュアルを読み込ませたチャットボットに何回でも質問できる環境を作っていて。
そうするとどうしても人に質問するのが 不安感が強くて苦手な方とか、あとは確認不安とかでどうしても作業が合ってるか分からなくてなかなか人に確認しないと作業進められなかったっていう方がAIに質問して前に進められやすくなったって使っていただいてますね。

「AI支援さん」は障害福祉界に革命を起こせる!

あとパパゲーノで出しているAI支援ツール“AI支援さん”、あれ福祉界の革命ですよ。私自身、特別支援に関わってきましたが、先生方の長時間労働の問題も、これがあれば大きく変わるのではないでしょうか。実際に福祉の現場でも“AI支援さん”によって働き方が改善され始めていますし、児童や利用者、患者さんにとっても非常に画期的な存在ですよね。さらに医療や教育など幅広い分野に広がれば、常識そのものが変わりますよね。そして何より、進化し続けているという点が本当にすごいと感じています。

実際うちも残業とかあんまりないですもんね。

それは本当にありがたいことです。子育てをしながら、帰宅後に子どもとしっかり過ごせる時間が確保できる。まだ小さいので夜の8時半頃には寝るのですが、そのタイミングで一緒に布団に入り、寝かしつけまでできるのは、親として大きな幸せだと思います。そして、その喜びをちゃんと味わわせてもらえているのは、本当に感謝すべきことです。
”A I支援さん”のおかげでそうやって残業なく帰宅させていただいて、また、先に帰ることに対して引け目を感じないで帰れるのも本当にありがたいです。だからか、実は転職してから 笑顔増えたねって家族に言われるんですよ。

本当ですか? 教員とか結構残業多かったりするんですか?

やっぱりニュースになっているだけありますよ。教員3年目の時なんか、働き方改革が言われる前というのもありますが、朝の7時に学校行って夜の9時半に帰るそんな日々でしたもん。今は、18時になったらスパッと帰れます。いや本当にありがたいです。

パパゲーノの支援員として今後挑戦していきたいこと

今後、パパゲーノで挑戦していきたいことはありますか?

”AI支援さん”を広げていきたいというのは挑戦していきたいことの一つですよね。
また、私自身もITスキルを磨いていきたい。
そして特別支援の経験を活かしつつ、利用者さん一人ひとりが“自分に合った働き方”を見つけられるよう支援していきたいと思っています。

ありがとうございました!今後ともよろしくお願いします!
このインタビューはYouTubeにて動画でも見ることができます。