パパゲーノの社員インタビュー第二弾。今回はプロダクトマネージャーのたいしこと、小池泰志(たいし)さんのインタビューをお届けします。新卒でパパゲーノに入社した経緯や、9月にオープンする就労移行支援B型の事業所の立ち上げ責任者として大変だったことなど熱い想いを掲載しています。ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです!
インタビュアー:中西高大(たかひろ)
原体験は大学自体の様々な活動から生まれた
今日はお話聞けるのが楽しみです!
よろしくお願いします。
早速ですが、パパゲーノに入社した経緯を教えてください!
元からメンタルヘルス領域には興味があったのでしょうか?
そうなんです。
興味を持ったきっかけはいくつかあるんですが、1つは児童相談所でのアルバイト、もう1つは海外インターンシップでブラジルのNGOに行ったことでした。
これまで自分は裕福な家庭で生まれ育ち、中学、高校、大学と親に通わせてもらったので、両方とも普段生きているだけでは触れられない世界のことだったので視野が広がりました。
夢や希望を追いかけたい子どもたちが、なんらかの理由で諦めてしまわざるをえない環境に追い込まれている現状や、選択肢をそもそも知らない・知っていても挑戦することができない状況を目の当たりにしたことが福祉への関心に繋がりました。
いろんな経験をされてますね!
あとは著名人の自殺報道ですね。顔が見えない他者に対する思いやりの欠如や、SNSで気軽に悪口が言えてしまって、結果的にそうした事態に繋がってしまうことが許せなくて、自殺予防にも興味を抱くようになりました。
最近そうした報道も増えてきてますもんね…。僕も胸が苦しいです。
とはいえ福祉の仕事に就くことが最初は全然イメージがつかなくて。
福祉の領域でビジネスとして成功していたり、挑戦したりしようとしている会社があまり身近になかったというのもあります。
そんな時に、たまたまパパゲーノ代表のやすまささんが「メンタルヘルス分野で起業する」という話を聞きました。
その頃のパパゲーノはまだ事業方針も何もない段階だったのですが、思想や目指したいビジョンは近いものを感じていたのでいいなって思ったんです。
他の会社からもオファーはいただいていたんですが、お給料やビジネススキルよりも、自分がプライベートの時間を割きたいと思えるくらいコミットできるのはパパゲーノだと考えて入社することを決めました。
入社の決め手は「オープン」なところ
それだけ時間を割きたいと思えたのはどういったポイントだったのでしょうか?
創業当初から事業に関われるというのが大きかったですね。
メンタルヘルスの問題って日常の至る所に問題となるポイントが潜んでいるので、一つの方向だけじゃなくて、いろんな方向からのアプローチが必要だと思っています。
何か事業を始める上で、解決する課題を特定することは重要ですが、その事業をインクルーシブに包摂する思想こそ、その事業を社会的に意義のあるものにすると思います。
事業の方針がまだ定まってないフェーズであれば、経営チームと議論しながらいろんな角度で課題にアプローチできるんじゃないかと考えました。
また経営陣のお二人も、みんなで決めていこうというオープンなやり方だったから、というのもありました。
なるほど!
創業当初から事業に携われるのは大きな魅力の一つですよね。
ちなみにたいしさんは新卒でパパゲーノに入社されていると聞きました。
創業間もない会社に入るのは勇気が必要だったのではないですか?
必要なかったですね。
少数精鋭の会社だと人手も足りていないので、なんでもやらなきゃいけなかったり、自学自習しながら進んでいかないといけないですが、それを楽しいと思えるからです。
あとは給与面でも、会社の財務状況などを経営チームがオープンに開示してくれているので安心できました。
入社する前にも他のメンバーにもお会いさせていただきましたし、業務委託のような形でインターンもさせてもらっていたので不安はなかったです。
利用者さんの背中を後押しできるような場所に
そんなたいしさんの普段の業務内容を教えてください。
就労継続支援B型の設立の責任者をしてきました。6月は行政に提出しないといけない事業計画書の執筆をひたすらやっていました。全部で100ページ以上の書類になりました。もう一回作れって言われても、もうできないです(笑)
大変でしたね(笑)
これから開所するパパゲーノ Work & Recovery(就労継続支援B型事業所)はどんな場所にしていきたいですか?
利用者さんのできることが少しずつ増えてきたり、目標を達成できたという感覚を持つことによって「次のチャレンジがしてみたいな」と思える場所にしていきたいです。
そうしたことに対して否定的な言葉をかけず、背中を後押しできるような空間でありたいなと思います。
利用者さんがつまづいた時、頭ごなしに「それはできないね」というのではなく、その場にいるみんなでどうすればできるようになるかを考えていきたいです。
「ここにいてもいいんだ」と思える社会を人類学からアプローチしたい
ありがとうございます!
最後に、パパゲーノのミッションでもある「生きててよかった」と思える世界は、小池さんにとってどんな社会ですか?
極論を言えば、精神障害というものが無くなれば良いと思っているんです。
少し先のビジョンですが、「人類学」という「人間の生き方を探求する」学問を、大学院で学び、「今の世の中を、どう生きたら心地が良いのか」ということを探究したいと思っています。
なので、「生きててよかった」と思える世界は、今の時点では正直なところわかりません。
人によって違うという前提もあるし、その人が今まで暮らしてきた文化によっても、生きててよかったと思える状況は異なると思っているからです。
なるほど…!
人類学を駆使して精神障害を無くしていくアプローチを模索するということですね。
めちゃくちゃ面白そうです。
ただ、出家して山で一人で生きていく道を選択しない限りは、生きていく中で他の人との関わりがあって、そのコミュニティの中で「自分はいてもいいんだ」と感じられることは、人が生き心地が良いと思える一つのファクターなのではないかとは思っています。
主観的に、「自分はここにいてもいいんだ」と、そう思えるような社会になるといいなと思うし、小さい単位でも、まずは自分たちの事業所がそういう空間になるように、頑張っていきたいです。