杉並区永福の就労継続支援B型事業所、「アゲイン」の上田さんに事業所の魅力についてインタビューをさせていただきました。
アゲインの基本情報
施設名 | アゲイン |
障害福祉サービスの種別 | 就労継続支援B型 |
生産活動 | ケーキ作り・OA作業・公園清掃 |
住所 | 〒168-0064 杉並区永福4丁目1号11番 (京王井の頭線「永福町駅」より徒歩3分) |
運営会社 | NPO法人まどか |
指定事業所番号 | 1311501306 |
指定年月日 | 2009年3月 |
電話番号 | 03-5300-2834 |
ホームページ | http://chouchou-madoka.com/again/ |
メールアドレス | madoka.again-b@hop.ocn.ne.jp |
どんな仕事をしているの?
うちはお菓子を作っている事業所なので、オフィス的というよりは家庭的な雰囲気ですね。
もう少しすると公園清掃の班が帰ってきますよ。
皆さんもう出かけられてるんですね。
そうですね。帰ってきたら「お帰りなさい!」って出迎えますね。
今日は何人ぐらいの利用者さんがいらっしゃってるんですか?
大体1日20名ぐらいはいらっしゃいますね。定員は34名です。
通所頻度は週2~3日の方が多いですかね。
ご本人のペースでずっと週1の方や、始めたばかりの方は比較的少ない日数からだったりします。
週5通所の方は就労を目標にしていたり、日中活動先としてコンスタントに来られていますね。
アゲインさんでやっていらっしゃるお仕事について教えていただけますか?
皆さんOA(パソコン)班かケーキ班のどちらかに所属しています。
その上で、公園清掃は任意で行きたい人が行ってもらうという形を取っています。
OA班ではデータの入力や製本作業を請け負って行なっています。
私より利用者さんの方が詳しかったりするので教えてもらう事もあるんですよ。
そしてこちらがケーキのメニューです。
いろんな種類がありますね!
お酒のケーキは大体いつもあるんですが、季節によってラインナップが変わります。
暑い時期は売り上げが少し落ちてしまったりと、時期によって売り上げの変動もありますね。
この間杉並区役所に行った際、ショップコーナーに他の事業所さんが出店されているのを見ました。
アゲインさんでも事業所の外で出店していたりはするんですか?
はい、基本は月に何回か希望を出してその日に出店させてもらうという形ですね。それ以外では「杉並仕事ねっと」という共同受注窓口経由でフェアの案内があったりしますよ。
売るところも利用者さんと一緒にやっています。
ケーキやクッキー、ぜひ私たちも買わせてください!
仕事のやりがい
私も以前パン作りをする事業所にいた事があるのですが、物作りは完成した時の喜びが大きいですよね。
本当にそうだと思います。朝作業を始める時はバターの塊だったものが、12時には焼き上がってマドレーヌになって、さらにそれが売れていくのを見るのは利用者さんもやっぱり嬉しいみたいです。
お菓子にしてもパソコン作業をするにしても、「自分はこの工程をを担当したんだ」というのが目に見えるとモチベーションが上がりますよね。
仕事に達成感が持てるかは大事ですよね。
公園の清掃も、暑い中・寒い中頑張って作業すると、前後でその場の綺麗さが全然違いますし。
ご自身で自分の仕事の成果に気づきにくい方のために、我々支援員が言葉にしたり、成果がわかりやすい仕組みを作ることも大切なのかもしれませんね。
通所の仕方について
見学や体験はどのような形で行っているのでしょう。
基本的に週1回のペースで1ヶ月ぐらい試験通所をしてもらって、お互いマッチするかを確認するようにしています。
では週5で来たいという方も最初は間隔を開けて、週1回の通所から始めてもらうんですか?
はい。試験通所が終わって本通所になっても、いきなり「では来週から毎日いらしてください」という風にはしていません。
それまで一般就労でお仕事をしていた方などもまれにいらっしゃいますが、ほとんどの方はデイケアに通っていたり自宅療養だった方なので、あまりペースを上げず週1から始めていただく場合が多いんです。
どうしても週1だと習慣作りができないというような方は相談して「じゃあもう半日増やしましょうか」という対応はしますけれども、あんまり最初から急いで途中で挫折してしまうよりは、あえて頻度を落として決まった曜日に通所できるようにするところからスタートしましょうね、という風にしています。
なるほど、無理のないペースから始めることは大切ですよね。
アゲインさんでは在宅の作業もできるんですね。
そうですね。意外と希望者が多いです。
コロナの時は感染が怖いという方が多かったですが、コロナが落ち着いた今も「事業所は人数が多いから自宅で落ち着いて作業がしたい」とか、「通所するまでの体調じゃないけど家でなら作業ができそう」という理由で在宅を希望されるされる方がいますね。
在宅勤務の可能性が高い方には事前に軽作業用の材料をお渡ししておいて、在宅の日はそちらをやっていただいています。
在宅作業はパソコンではなく軽作業をお願いしているんですね。
はい。在宅の日は利用者さんから朝電話をもらってその日の作業時間や内容を確認します。1日の終わりには私たちの方から連絡をして、体調や作業の進捗を聞くようにしています。
お昼休憩やお茶タイムも大事な時間
300円でお昼が食べられるという事ですが、午前から来られる方はお食事をして午後もお仕事をされる方が多いんでしょうか?
大人数が苦手な方は外に食べに行ったり、休憩室は静かなのでそこで食べたりされていますね。
昼休みは結構いろんなドラマがあります。作業がないからどう過ごしていいかわからないとか、しゃべりかけたいけどしゃべりかけられないとか..。
ただ、1日を過ごすいい練習になりますよね。
「お茶タイム」というのもあるんですね。
15:00~16:00までは作業とは別でここを開けています。
企業でお仕事をするとなると、朝仕事に来て夕方に帰るというのが一般的ですよね。なので、あまり早く帰宅するのではなく、そういった時間感覚に近づけたいという意味があります。
まあ何かをするというよりは、みんなでゆっくりお茶を飲んでおしゃべりをする時間なんですけどね。
作業の間はコミュニケーションのタイミングや内容がある程度決まっているから、ある意味安心な面はあるでしょうが、フリースタイルで他の利用者さんと関わる時間はまた違った力が養われますよね。
Q.アゲインさんの良いところはどんなところですか?
家庭的なところかなと思います。
一人暮らしの方が多いので、アゲインのお昼は季節の物やバランスの整った食事を楽しんでほしくて、地域のボランティアさんに作ってもらったり、そういったところを大事にしていますね。
あとは声かけに家庭的な温かさがあるという事もよく言っていただきます。
Q.上田さんが利用者さんと一緒に過ごす中で大事にされている事はなんですか?
あまり「職員だから」「利用者だから」という立場を意識せず自然に接する事ですかね。利用者さんに教えてもらう事は私たちも教えてもらいますし、お願いもしますし。
支援者だからこうしなきゃというより、同じ目線で生活する事を大切にしています。
まとめ
就労継続支援B型事業所アゲインは、家庭的で温かな雰囲気の中、ケーキ作り・OA作業・公園清掃のお仕事に取り組む事ができます。
生活リズムを整えながらこれまでやってみたかった仕事にチャレンジする機会を持ちたい方は、通所を検討されてみてはいかがでしょうか。
取材した感想
利用者さんとスタッフが一緒に協力しながらお仕事を進められている様子が印象的でした。
そしてアゲインさんのケーキやクッキーは手作りの優しい味わいが本当に美味しい!お菓子屋さんとしても一度立ち寄ってみていただきたいです。