イオンに入っている就労継続支援B型事業所「リハスワークふじみ野」さん。作業療法士であり、センター長の三前有理(みさき・ゆり)さんに施設の魅力や作業療法士としての仕事を伺いました!
施設名 | リハスワークふじみ野 |
障害福祉サービスの種別 | 就労継続支援B型 |
生産活動 | 自社商品の製造(栞、ヒバ葉書、能登ヒバチップ) 企業から受託業務(チラシ封入、部品組み立て) |
住所 | 〒356-0011 埼玉県ふじみ野市福岡2丁目1−6 |
運営団体 | 株式会社リハス |
開所年月日 | 2022年4月1日 |
電話番号 | 049-293-6196 |
FAX番号 | 049-293-6197 |
生産活動は自社商品の制作と企業からの受託業務
リハスワークのお仕事は主に2つに分けられます。
1つは自社商品の栞、ヒバ葉書(ポストカード)、能登ヒバチップから作るお仕事。
もう1つが地域の企業から受託しているお仕事です。
リハスワークふじみ野でいえば、チラシの封入作業や部品組み立てのお仕事、イオンから受託している清掃、除草のお仕事です。
自社商品の栞、ヒバ葉書、能登ヒバチップはどこでどのように売っているのでしょうか?
能登ヒバチップはホテルやスパの販路があります。栞やポストカードなどは、観光地のお土産のような形で兼六園や金沢駅のお土産屋さんに卸しています。
毎月この栞は400枚納品していて、それが関東だけで4カ所あって、東海、北陸の事業所もそれぞれ作っているのでかなりの数を生産して購入いただいてます。
リハスさんは金沢が本社ですもんね!
そういえば、会社名を「金沢QOL支援センター株式会社」から「株式会社リハス」に変更されてましたよね。
そうなんです!
既存の事業所名が「リハス」という名前で慣れ親しんでいただいていることもあり、社名を事業所名と統一して変更しています。
自社商品の価値へのこだわり
自社商品にはこだわっているポイントはありますか?
自社商品には、代表の岩下もすごいこだわりを持って、商品に価値をつけて提供することを目指しています。
福祉施設が作る商品というと、少し不格好だけど障害をお持ちの方が作っているから共感して購入する、というイメージがあるかと思います。
ですが、デザインや商品自体の魅力を高めて購入してもらい、後からよくよく知ってみると障害をお持ちの方が作ったんだと感動を与えられるような商品を作ることにこだわっています。
例えば、ポストカードは元々0.25mmだったんですよね。それを0.5mmにして、割れやすくてカットが難しくなったんですけど、香りがすごい感じられるようになりました。
木の香りも味わえて、素敵ですね〜。
トイレが合計5つもある!?
あれ、トイレの数がすごく多いですね。
そうなんです。
一般的なトイレが男性用2つと女性用2つで4つあるのと、奥に1つ車椅子用の方向けのトイレがあります。
トイレには困らないです。笑
2階なのでエレベーター移動はありますが、エレベーターも広くて、トイレもたくさんあって、身体障害をお持ちの方も安心して通勤できそうですね。
障害特性と得意な作業はどのように見極めている?
こちらでは企業の化粧品サンプルなどを郵送するDMづくりのお仕事をしています。
折れたらダメ、最後に貼って止める、というように細かい基準が設けられています。
化粧品のサンプルを貼る係の方がいて、袋に入れて、クーポン入れて、最後シールを貼って止めるというように作業工程を分解して、担当を分けています。
障害特性によって、作業工程を分解することで合う作業と合わない作業を見極めて得意な作業をやってもらうような工夫をしているのでしょうか?
そうですね。
企業からはいつまでに何個作るという形でお仕事を受託します。それをどんな作業工程に分けて、誰に割り振るかは、医療福祉専門のライセンスを保有する社員中心で考えていきます。
それが「支援の質」と「生産性」に直結します。ミスマッチの作業になると、社員も修正対応に追われたりバタバタしてしまいます。お一人お一人にあった仕事の分担が大切です。
なるほど。
1番難しいのは、シール貼り・サンプル貼りなんですよね。封入作業は比較的簡単です。
ただし、封入の向きがわからない方もいて、そういう人にとってはサンプル貼りの方が得意だったりします。
社員から見たらサンプル貼りの方が難易度が高いのですが、人によっては逆だったりします。
就労継続支援B型事業所に作業療法士がいることの価値
リハスワークふじみ野さんは、どのような障害区分・診断名の方が多いのでしょうか?
精神障害の方が6割ほどで比較的多いです。高次脳機能障害の方や、知的障害の方もいらっしゃいます。
疾患の診断名で、それぞれの方の得意・不得意な仕事はわかるものなのでしょうか?
それとも、同じ診断名でも異なるものでしょうか?
同じ疾患名でも、その重症度によって結構違うかもしれないですね。
麻痺の場合も、右麻痺なのか、左麻痺なのかによってちょっと特性が違って、得意な作業や配慮事項も変わります。
そこはやはり、三前さんが作業療法士だからできている部分なのでしょうか?
私は作業療法士で、ある程度疾患の知識があるので、1日利用者さんとお話していく中で「この作業が得意そうだな」という見立ては立てやすいです。
しかし、社員も、リハス基準をもとにして、利用者さんが実際に仕事をしている様子を見ていると1ヶ月かからないくらいで人それぞれの得意・不得意な業務は分かってきます。
ただし、「なぜできないのか?」「なぜ得意なのか?」を言語化する部分は専門家である作業療法士の視点があるとより理解しやすい部分だと思います。
そのため、得意不得意の背景を、同じ事業所の社員と一緒に考える時間をとったりしています。
封入作業をしている利用者さんの声
利用者さんにもぜひお話を聞いてみましょう!
今は何のお仕事をされているんですか?
封入をしています。
これを間違えちゃうと、シール貼りをする人が大変なので、気をつけて1つずつやってます。
向きが決まっているんですね。
次の人のことも考えて、素晴らしい!
利用者の登録は50名ほど!施設外就労も実施
利用者さんは何名ほどいらっしゃるのでしょうか?今日も結構多い印象です。
今日は34名が通所しています。
登録は50名ほどです。
お〜!多いですね!
定員は「20名」ですか?
20名です。
施設外就労も組み合わせています。
大きい商業施設に就労継続支援B型が入るのは日本初?
イオンに障害福祉施設があると、一般の人にとても障害福祉が身近な存在かつ、インクルーシブな社会に近づきに良いですよね。
商業施設に就労継続支援B型が入ってるのはかなり珍しいのではないでしょうか?
おそらく日本初だと思います。
デイサービスなど介護施設はあったりしますが、障害福祉施設が商業施設に入る事例はほとんどありません。
イオンに通勤できたり、そのついでにお昼休みにイオンで買い物したりもできて良さそうですね。
今後も色んな事例を創り出して、社会が障がいに歩み寄っていくことに貢献したいと思っています。
リハスさんが先進的な事例を創り上げていくこと、期待しています!
リハスワークふじみ野さんはイオンの中にある広くて明るい事業所です。お仕事の選択肢も作業工程を細かく分解した上で自分が得意な作業を選ぶことができるのが魅力です。ご興味ある方はぜひ利用を検討してみてください。
日本初の大型商業施設に入っている就労継続支援B型「リハスワークふじみ野」さんをご紹介しました。
作業療法士の視点で仕事をどのように障害をお持ちの方ができるようにスタッフが調整しているのかなど、就労継続支援B型の理解を深めるきっかけとなれば幸いです。