千葉県千葉市にある就労継続支援B型事業所「TODAY弁天」の施設長、松本茂裕さんにインタビュー!松本さん個人のキャリアと、施設長としてのこだわりに焦点を当て、TODAY弁天の魅力をご紹介します。
施設名 | TODAY弁天 |
障害福祉サービスの種別 | 就労継続支援B型 |
生産活動 | 中古品の検品・袋詰め 箸の封入 パソコン仕事(新規で挑戦中) コーヒーの焙煎・販売(新規で挑戦中) |
住所 | 〒260-0045 千葉県千葉市中央区弁天1丁目8−13 |
運営団体 | AHCグループ株式会社 |
開所年月日 | 2024年2月1日 |
電話番号 | 043-307-1036 |
FAX番号 | 043-307-1037 |
前職のユニクロで障害のある方と働いた経験が、福祉のキャリアの原点
はじめに、松本さんが福祉の仕事を始めたきっかけを教えてください。
若い頃は、東京で美容関係の仕事をしていました。仕事をしながら、週末は趣味でサーフィンを楽しむために千葉に通う生活を送っていました。
その後、妻が体調を崩したことを機にライフスタイルを見直し、千葉に引っ越してユニクロで働きはじめたのが最初の福祉との接点です。
ユニクロではどんな形で福祉との接点があったのですか?
ユニクロは障害者雇用を積極的にしていて、接客のスタッフや、バックヤードで働くスタッフとして数名はどの店舗にも障害のある方がいました。
そのため、僕も店舗で働いている時に、障害のあるスタッフが困った時にインカムで呼んでもらってサポートすることがよくありました。福祉の経験があった訳ではないですが、障害のある方と一緒に働いた経験は原点だったと思います。
AHCグループへ転職、就労継続支援B型事業所TODAY亀岡を最優秀賞をもらう施設に
AHCグループにはどのような経緯で転職されたのですか?
42歳で初めて子どもが産まれ父親になりました。
それが将来のことを色々考えるきっかけになり、福祉の業界に飛び込むことを決めました。
入社してからはどんな仕事をしていたのでしょうか?
最初は「目標工賃達成指導員」として、現場の支援員をしていました。
2020年の4月から就労継続支援B型「TODAY亀岡」で管理者として働き始めました。
ちょうどコロナの緊急事態宣言の時期で、日本中がパニックになっていました。
ただでさえ障害があり利用者さんは不安を抱えていると思い、マスクや飛沫対策は徹底した上で、利用者さん同士やスタッフとのおしゃべりをOKにする方針で施設を運営していました。
それもあって、利用者さんは安心して通所いただけて、数字の面では高稼働率を維持して、目標としていた予算も3年間落とすことなく、全社の施設の中で最優秀賞をいただくまでになりました。
最優秀賞はすごいですね!
よく福祉介護系の施設は「施設長・サビ管次第でガラッと変わる」と言いますよね。
松本さんはどんなタイプの施設長なんですか?
「背中を見て、ついてこい」というスタイルですね。昔ながらの古いやり方かもしれないですが笑
自分がやっていないと部下にも、利用者さんにも、何も自信を持って言えません。
自分が現場に出て作業を理解することで、スタッフにも利用者さんにも適切な支援ができるようになると思っています。
結果として、それが数字にも繋がっているのかなと感じています。
自ら現場に入る姿勢、素敵です・・・!
その後、TODAY亀岡での実績が認められ、2024年2月1日に新設されたTODAY弁天を施設長をやることになりました。
安心できる居場所「TODAY弁天」とは?
TODAY弁天について、どんな施設か教えていただけますか?
TODAY弁天は千葉駅北口から徒歩5分の場所にある就労継続支援B型事業所です。
知的障害、精神障害、身体障害の3障害全ての方が作業を通じて社会との繋がりを持つ場を提供しています。
安心して過ごせる「居場所」として、徐々に仕事を通じて社会に参加し、充実感を得られるようサポートしています。
千葉駅から5分という立地は非常に便利ですね。
電車で来る方が多いのでしょうか?
そうですね。電車を利用している方も多いです。
送迎サービスも提供しており、利用者さんの状況に合わせた通所方法を選ぶことができます。
仕事内容は中古品の検品、箸の袋詰め。パソコン仕事とコーヒー販売にも挑戦!
TODAY弁天ではどのような仕事(生産活動)を行っていますか?
箸の袋詰めや中古品販売会社のおもちゃの検品・袋詰め作業などを行っています。
今後は、データ入力などパソコンを使ってITスキルを学べる仕事も増やしていく予定です。
利用者さんと一緒にコーヒーを焙煎して、テイクアウト販売をする準備も進めています。
どんどん新しいことに挑戦されてるんですね!
工賃はどのようなルールになっていますか?
現在は1時間あたり200円の工賃としています。
今後は新しい仕事を増やしていき、内容に応じて工賃も増やしていきたいと思っています。
支援のこだわりは「利用者さんをよく見ること」
松本さんは施設長として素晴らしい成果を出していると思うのですが、支援をする上でこだわっていることは何かありますか?
こだわりは、「利用者さんをよく見ること」です。
利用者さんの表情や態度の変化に敏感に気づき、少しでも安心して過ごして、明るく帰ってもらえるよう声かけをしたり、環境づくりをしたりしています。
実際にTODAY弁天に来た利用者さんはどんなご様子ですか?
朝は暗い顔で来た利用者さんも、作業を終える頃には明るい顔で帰っていくことが多いです。
例えば、ある利用者さんは、最初は自信がなく、誰とも話さず黙々と作業をしていました。
しかし、毎日通所するうちに、スタッフや他の利用者さんとの交流が増え、笑顔で話すようになりました。
笑顔が増えるのは嬉しいですね。
入院中でも「TODAY弁天に通いたい」と強く願う利用者さんもいました。
「ここに来ると元気が出るから」と。
すごいですね!
それだけ安心できる居場所だと感じてもらえているのですね。
利用者さんとスタッフの関係の良さが魅力
スタッフのサポートについて、どのようなことを大切にしていますか?
利用者さんをよく観察し、ちょっとした変化も見逃さないようにしています。
スタッフ全員が利用者さんへの声掛け、コミュニケーションを大切にし、優しい雰囲気を作り出しています。本当にスタッフと利用者の関係は良いなと思います。
素敵ですね。
施設長として、スタッフと利用者さんの関係がよくなるような工夫は何かされているのですか?
そうですね。
1時間に3回ぐらい僕は現場に出て利用者さんに声をかけています。施設長の背中を見て、他のスタッフさんたちも利用者さんに声掛けたり、それが優しい雰囲気に繋がっているのかなと思います。
「就労継続支援B型」の表記を看板から外す!地域に開かれた場所へのこだわり
TODAY弁天を地域に開かれた施設にしたいとのことですが、その取り組みについて教えてください。
1番象徴的なこととして、看板から「就労継続支援B型事業所」の表記を外し、地域住民に認められる存在を目指しています。
地域の清掃活動を行ったり、近隣の住民と積極的にコミュニケーションを取ることで、地域との繋がりを深めています。
例えば、近所の美容室の前で雑草を抜くなどの地域貢献活動を行い、その結果、美容室のスタッフやお客さんから感謝の声をいただくこともあります。
地域住民の方と利用者さんが挨拶をすることも多く、地域との信頼関係が築かれてきているなと感じます。
そういえば、僕が事業所を訪問した際も、近くで利用者さんと雑草を抜いてましたね!
そうなんです。
定期的にやらせてもらってます。
将来は子ども食堂など、未来を担う子どもの福祉にも貢献したい
最後に、松本さんの今後の目標について教えてください。
まずは、TODAY弁天で障害のある方が安心できる場所を提供することを第一に考えています。
将来的には、子ども食堂を運営し、地域の子どもたちにも貢献したいです。特に、家庭環境に恵まれない子供たちに、温かい食事と安心して過ごせる場所を提供することを目指しています。
私自身、子どもがいる親として、日本の未来を担う子どもたちが安心して生きられる社会にしていきたいという想いが強いです。
2024年8月30日(金)にTODAY弁天の「支援者さん向け合同説明会」があります!この記事を読んで興味を持っていただいた方は、ぜひ参加を検討してみてください!