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音楽×メンタルヘルスの可能性【「株式会社Estlaughtive」代表 北橋玲実さん】

音楽×メンタルヘルスという切り口で活躍!Estlaughtiveの代表、北橋玲実さんに密着

さとみ
さとみ

早速ですが、自己紹介をお願いします!

北橋さん
北橋さん

株式会社Estlaughtiveの代表取締役、北橋玲実と申します。
私自身、元々アスペルガーとADHDという発達障害を持っておりまして、人と関わったり、自分自身の仕事がなかなか覚えられない、うまくいかないということに対してストレスを強く感じていました。
その中で、元々好きだった音楽を自分のために活かしていく、音を使って楽に生きるということを実践し、それを自分自身だけではなく色んな方に伝えたいと思い、発信をしております。

発達障害の当事者だからこそ伝えたい。Estlaughtiveの活動について

さとみ
さとみ

Estlaughtiveの活動は北橋さんの体験から来ているようですが、どういうものなのでしょうか。

北橋さん
北橋さん

先程申し上げた通り、私自身、発達障害の当事者で、聴覚過敏や人間関係の難しさに苦しんでいた時期がありました。
私が一番強く疑問だったのが、「音楽って一般的に身体にいいはずだよね」ということでして、私は母が音楽をやっていたことから、人よりも音楽に触れてきたはずなのになぜ心を病んでしまったんだろうと思っていました。
そうした中でなんとか自分自身の症状を良くしたいと考え様々な本を読み、自分に優しくできない、自分のことを見てあげられない、といったことが書いてあったのですが、それは音楽を聴くことにも当てはまるのではないか、と考えまして。
音楽を聴くことは身体や心にとって良いのですが、一つの音楽を選んで聴く前に、自分自身のことを良く知って、どういう曲を聴くのが今の自分に良いのか、そういった自分自身への寄り添いの中で音楽を聴くことが重要なのではないかと考え、色んな活動の中でお伝えしていきたいなと思った次第です。

さとみ
さとみ

音楽とメンタルヘルスはとても密接に関わっている部分があると思いますが、そこにはどういった重要性があるのでしょうか?

北橋さん
北橋さん

私は音楽療法学会に所属しているのですが、うつ病や発達障害そのものを治療するとまでいかなくても、音楽によって心の状態を良くしていくことが可能だという結果が出ています。
私たちは、個人差はありますが、18時間という長い時間音楽を聴いています。現代はスマホ一台で好きな音楽を好きなタイミングで聴くことができるという世の中なので、たくさんの人が音楽を正しく活用することが大切だと自覚することによって、社会として得られるものはとても大きく、そこにこそ重要性があるのではないかと考えています。

音楽の活用においての課題とは

さとみ
さとみ

現代の音楽、特にメンタルヘルスに対しての音楽の活用において、どんな課題があると思われますか。

北橋さん
北橋さん

スマホから音楽を聴くにあたって、ホーム画面から一回タップして、すぐに音楽を聴くことができるくらいのハードルの低さがあると思うのですが、その一回タップする間にどれだけ自分の状態に寄り添えるのかな、と疑問に思っています。
今この瞬間、どういう原因でどのくらい不安なのか、どのくらいイライラを感じているのか、ということも日々状況によって違います。音楽を聴くことの手前で、どれだけ自分に向き合えるか、例えばこの曲を聴いたときに自分がどのように感じるのかということにあまり自覚的になれていないということが、一番の課題なのではないかと思っています。

さとみ
さとみ

少し議題からそれてしまうのですが、私自身の体験として、落ち込んでいるときにその気持ちに沿った暗いバラードを聴いてしまったり、逆にテンションが上がっているときに明るすぎる曲を聴きすぎてイライラしてきたりなど、一見その状況に合っている曲を選曲しているようで、その実自分の気持ちを持っていきたい方向とは別の方向に行ってしまうことがあるのですが、これは今の気持ちに沿った選曲ができていないということなのでしょうか。

北橋さん
北橋さん

そうですね。「行きたい方向と違った」と感じたのであれば適切ではなかったのかもしれません。目安としてですが、不安という落ちたエネルギーにいるときも、怒りという高いエネルギーにいるときも、基本的に気持ちをフラットに戻していくということをまず最初に目指していただきたいなと思います。それが、例えば落ち込んでいるときに、自分の気持ちに共感してくれると感じる曲を聴くことは良いと思うのですが、聴くにつれてちょっと回復してきたなと思ったら、もう少し明るめの曲にしてみるなど、自分がどこに行きたいのか、どういう方向性のエネルギーを持ちたいのかというところもおっしゃる通り重要ですね。
自分に寄り添うというのも、何が心地よいと感じるかにプラスして、なおかつ自分はこういう気持ちになりたいというところに気付くことができるか、近づけているのかということが音楽を選曲する一番大きな判断材料なのでしょうね。

Estlaughtiveがリリースしたアプリ「soundefine」

さとみ
さとみ

Estlaughtiveさんでも音楽にまつわる活動をされているようですが、どのような活動でしょうか?

北橋さん
北橋さん

音楽とメンタルケアというところに特化したサービスを提供しているということが当社の活動となります。
その中で、「soundefine」というアプリケーションをリリース致しまして、自分自身と向き合って音楽をきちんと選んで聴き、メンタルを良くしていく、ということを目的としたものとなっております。
「soundefine」の中では、例えば、自分自身と向き合った上でどんな曲を聴きたいのか選択し、それを聴いたら本当に気分がよくなった、または、いや変わらなかったからもう一度選びなおす、ということをしていただきます。一見面倒くさいのですが、実際たくさんの方に使っていただいた結果、メンタルが良くなったという効果が出ています。
毎週18時間という長い時間音楽を聴くのであれば、そのついでに自分自身のことも知ってみてほしい、と思っておりまして、「soundefine」を使うことで、音楽を楽しむと同時に自己内省を促し、多くの人に利用してもらいたいと思っています。

今後のEstlaughtiveと「soundefine」

さとみ
さとみ

最後にメッセージをお願いします。

北橋さん
北橋さん

先程紹介させていただきました「soundefine」ですが、まだリリースしたてホヤホヤの時期にあります。
もっとたくさんのいろんな背景を持った方のご意見を聴きながら、もっとたくさんの方に届けたい、たくさんの方に貢献できるようなものにしていきたい、と思っております。「soundefine」を使いました、というご報告だけでも大変嬉しいのですが、現在アプリケーションのモニターも募集させていただいておりまして、基本的に1ヶ月使っていただいてご意見をいただきたく、というものになっております。
モニターについては、Estlaughtiveのサイトに詳しいことを記載しておりますので、もしご興味のある方は是非参加していただけますと大変ありがたいです。