【AI支援さん】無料で1ヶ月お試しできます!

「60点でいい」完璧主義だった私がパパゲーノの理念「ワーク&リカバリー」に出会う軌跡

入社3年目。営業という職種から転職して現在は下高井戸の拠点責任者を担い、ワーク&リカバリーを広めている高橋真希さん。パパゲーノ代表やすまさとの対談を通して、パパゲーノで働くまでの「これまで」を振り返りご自身の考え方の変化について語っていただきます!

自己紹介:趣味は読書

やすまさ
やすまさ

今回は用賀の立ち上げと下高井戸の施設外就労の拠点責任者を担ってくれている高橋真希さんにお話を伺っていこうと思います。よろしくお願いします。

まき
まき

よろしくお願いします。入社してちょうど2年が経ちました。

やすまさ
やすまさ

早いですね。最近は何をして過ごされているんですか?

まき
まき

最近の趣味は読書です。おすすめは、「自分とかないから」っていう本で、空海とか孔子とかの思想を面白おかしくまとめている本で、自分って何なんだろう?という問いをいろいろな視点から見ていく本なんです。世の中がすごく変化していく中で、他者と自分の境界線も曖昧なもので全てが変わっていくから自分なんて本当はないんだよ、ということを伝えている本です。

やすまさ
やすまさ

なるほど。生き物も人との関わりも全ては流動的ですもんね。

まき
まき

最近は、社内の読書コミュニティにも参加していて、2週に1回朝7:30から黙々と読書してそのあと感想をシェアする会なのですが、とても充実した気持ちになります。

パパゲーノに入社したきっかけ

やすまさ
やすまさ

高橋さんのことを少し知れたところで、パパゲーノに入社しようと思った理由についてこれまでのキャリアのお話も交えて教えてもらえますか?

まき
まき

はい。前職では営業をやっていたんですが、なかなかうまくいかなかったり組織での自分の立ち振舞いについて悩んでいて「この先どうしようかな」と思って相談していた時に、「B型就労継続事業所を立ち上げるので、人が欲しいです、ぜひどうですか?」と声をかけてもらったのがきっかけです。

福祉はそれまであまり身近ではなかったんですが、「誰かのためになることがしたい」「自分の介在価値を感じられることがしたい」という想いはぼんやりあって。お話を聞く中で、自分のこれまでの経験や考えてきたことが活かせそうだなと感じ「入社したい」と思いました。あとは単純にやすまささんともう一度一緒に働きたかったからというのもあります。

やすまさ
やすまさ

ありがたい限りです。前職で一緒に働いていましたからね。

2年間本当に助かっています。

まき
まき

楽しく働いています。

高橋さんが考える「ワーク&リカバリー」

まき
まき

先ほど自分の介在価値を感じられる仕事をしたいという話をしたのですが、最近自分にとっての「ワーク&リカバリー」って何だろう?と良く考えるんです。働く中でしか得られない達成感や人に貢献する感覚とかを改めて見つめ直しています。

やすまさ
やすまさ

高橋さんの中での「ワーク&リカバリー」って何だと思っていますか?

まき
まき

「他者貢献」ですね。働くことを通じて人に貢献しながら、自分らしさを追求する、という意味だと思っています。パパゲーノで利用者さんが自分らしくいられる場所を増やしたいと思っています。私自身もそうなんですけど、「完璧」を目指してしまう方がとても多いと感じていて。「こうあるべきだ」と思い込んで苦しくなってしまっている方が多い。でも完璧じゃなくても大丈夫で、そのままの自分で自分のできることを一つずつ積み重ねていくことが大事なんだと身をもって感じてきました。それを伝えられる支援者でありたいなと思っています。

優等生で完璧主義だった学生時代

やすまさ
やすまさ

その考え方に至るまでの背景をもう少し聞いてもいいですか?

まき
まき

元々学生時代は、いわゆる「優等生・真面目な学生」でした。

「100点を取りたい」「100点じゃないといけない」と思って、毎日勉強も部活も頑張っていました。 「完璧じゃないと周囲に認められないんじゃないか」「完璧じゃない自分には価値がないんじゃないか」と思っていて、常にそれに追いつこうとして、追われているような学生時代でした。 部活は吹奏楽部で、ユーフォニアムを担当していました。
かなりストイックな部活で、演奏会のあとには毎回「分析会」があって、自分たちの演奏を最初から最後まで聴き直して、「音楽面はどうだったか」を話し合うんです。 それだけじゃなくて、「行動面」もチェックされて、「学生としてあるべき姿でいられたか」「マナーをきっちり守れていたか」も話し合う会がありました。 前に立つ機会も多かったので、「自分がどうしたいか」よりも、「周りからどう見られるか」「人の意見にいかに合わせるか」を優先しがちでした。 高校までは、それで何とかうまくいっていたんです。辛かったけど、「完璧になれるように頑張ろう」と思って頑張っていました。

やすまさ
やすまさ

そうだったんですね。

まき
まき

でも、大学に入ってから、それが崩れました。 それまでずっと「100点」を目指して頑張ってきたのに、ある日、全然起きられなくなってしまって
授業に行けなくなっちゃったんです。 みんなが参加している授業に自分だけ行けないと、話についていけないし、レポートも出せない。
だんだん学部の中でも、「この人ちゃんとやってない人だよね」という目で見られるようになっていって、「ああ、自分全然ダメだな」とどんどん落ちていきました。 自己肯定感がすごく下がってしまって。

やすまさ
やすまさ

そこのところ、僕もすごく似ていて。高校時代に部活で結果を出して、大学に入ったら授業についていけなかった。最初は「単位取りたい」と思ってたくさん授業をとるんですけど、できなくて、その挫折感がすごいんですよね。

まき
まき

そうなんですよね。最初から頑張りすぎてしまうんですね。

やすまさ
やすまさ

でもそこで「できないんだ」と気づいたり、「そこに執着しなくてもいいんだ」と思えたのは大きくて。僕の場合は、大学に「成績なんてどうでもいいよ、やりたいことやろうよ」と言ってくれる先輩がたくさんいてすごく救われました。高橋さんの場合もそういう救いがありましたか?

まき
まき

そうですね。学部の中ではちょっと浮いていたんですけど、他学部の人もいるサークルに入っていて、「そういう自分でもいいよね」と受け入れてもらえる場がありました。

そこで徐々に自己肯定感が戻ってきて、大学後半はいろいろなことに挑戦するようになりました。

大学時代の研究テーマについて

やすまさ
やすまさ

大学ではどんな研究をしていたんでしたっけ?

まき
まき

高分子化学の研究室にいました。ざっくり言うと「生物の機能を模倣して、どうやって世の中で使える技術にしていくか」を考える分野です。分かりやすい例だとハスの葉っぱって水を弾きますよね。あれは、葉っぱの表面の構造が細かい凹凸になっているからで、その仕組みを応用して「ヨーグルトのふたに中身がつきにくくする」みたいな技術が生まれています。私がやっていたのが、動物の柄がどういう仕組みでできているか解析している方に教わりながら、数式を使ってパターン(模様)を生成してそのパターンを材料にするとどんな効果が出るか検証する、というものでした。

やすまさ
やすまさ

かなり面白いことやってますね。今の時代だともっと簡単にできそうなテーマですね。

まき
まき

そうですね。今だともっと効率的にできると思います。

双極性障害と入院・休職の日々

やすまさ
やすまさ

社会人になってからはどうでしたか?僕の中では「バリバリ営業」のイメージが強いんですが。

まき
まき

最初に入った会社は、社員の半分以上が営業の不動産系の会社でした。そこで個人営業をしていました。シフト制の休みだったんですけど、相手は個人のお客様なので「こっちの休み」は関係ないんです。なので休みの日でも社用携帯を持ち歩いていつでも電話できる体制のハードワークをしていました。ただ、楽しかったのでそのうちまた自分の「メラメラ心」が出て頑張りすぎてしまい、ある時突然うつになってしまったんです。

やすまさ
やすまさ

なるほど。

まき
まき

その時会社に行けなくなってしまって精神科に行ったら「2ヶ月くらい入院しましょう」と言われて。入院して、そのあと退院してからは半年くらい休職しました。

やすまさ
やすまさ

そうだったんですね。

まき
まき

今も治療は続けているんですが、その時 「双極性障害です」と言われました。そこからは療養しながら自分と向き合う日々が続きました。発症したのは新卒3年目でした。3年間バリバリ頑張っていて成績も良くて毎月MVPをもらっていたんですけど、突然そうなってしまって。絶望感がすごくて「もう自分は働けないんじゃないか」と思いながら休んでいました。

入院後はデイケアに通いながら少しずつ仕事に戻る準備をしていって、半年から1年くらいかけて復職しました。

デイケアで学んだ「60点でいい」という考え方

やすまさ
やすまさ

以前B型就労継続事業所を立ち上げるか話していたときに、デイケアの記録を見せてもらいましたよね。「デイケアってどんなことやっているんですか?」って。

まき
まき

そうですね、デイケアでは、自分の病気に対する理解も自分自身の理解もすごく深まりました。その中で、印象的だったのは「その日の気分に点数をつける」というワークです。毎日「今日は何点」と自分でつけるんですけど、80点とか90点になると自分の場合は、「躁(そう)に近い状態」なんだと分かってきて。自分にとって一番いいのは60点なんだということを学びました。

やすまさ
やすまさ

いい気づきですね。

まき
まき

それ以来、「60点でいい」と思うようにしています。あまりにも楽しすぎる時は、「ちょっと危ないかな」と思ったりして葛藤もあるんですけど、「60点でいいんだよ」というのは自分の中で大きな気づきでした。

やすまさ
やすまさ

今は、「躁状態のサイン」として気をつけていることはありますか?

まき
まき

あまり寝ていないのに平気になっちゃうとかですかね。あとは、鼻歌を歌っちゃう笑

やすまさ
やすまさ

以前会議が終わった後に鼻歌が聞こえてきた時がありましたね(笑)

今は「60点くらいの感覚」で仕事ができている感じですか?

まき
まき

そうですね、60点くらいの感覚で仕事ができています

やすまさ
やすまさ

60点にしては素晴らしいパフォーマンスですよね。

まき
まき

昔と比べると今の方が仕事はできている感じがします。そのときの「自分の100%」っていうのがあって、今はそのキャパシティ自体が広がっている感覚があります。できることがすごく増えているので、「60点でもいいかな」と思っています。

やすまさ
やすまさ

スマホの充電を毎回100%まで使い切ると復帰が遅くなりますよね。今はキャパシティが広がって使い方が変わってきたのかなと。

まき
まき

そうですね。「やらなきゃいけないこと」という物差しだけで動くのではなく、「自分がやりたいこと」や「人から求められること」を少しずつやっていってそれが自分の力になっている感じがします。

「やりたいことは何ですか?」「なりたい像はありますか?」と聞かれるとすごく難しいんですけど、ずっと考えてはいて、「チャレンジし続ける人でありたい」と思っています。誰かが「やりたい」と思っていることを一緒にやるのは向いている気がします。

やすまさ
やすまさ

いいですね。まさにソーシャルワーカー、行動の伴走者ですね。

トップを支える2番手の役割

まき
まき

最近、おすすめしてもらった「2番手経営」というポッドキャストをよく聞いているんですけど、すごく面白くて。

やすまさ
やすまさ

いいですね。

まき
まき

トップが描いているビジョンをどう現実に落とし込むか考えるのが2番手の役割なんですよね。そう考えると、2番手ってある程度オールマイティーじゃないとだめだなと思って。トップが、「こうしたい」と思って「わーっ」と突き進んでいくときに、きっとこぼれ落ちてしまうものがたくさんあって。それをどれだけ拾い切れるか、というのは結構大事だなと思いました。私もいろんなものを拾える人でいたいと思いながら聞いていました。

やすまさ
やすまさ

今も僕が落としているものをたくさん拾ってもらっている実感があります(笑)

まき
まき

私が入った時は、社員が6人で本当に「0→1」の時期でしたけど、今は人数も増えて仕事の進め方も変わってきましたよね。すでにある程度の実績やルールがある中で、「どう改善するか」「どう新しいことを進めるか」を考える段階になってきたと感じています。

やすまさ
やすまさ

そうですね。

まき
まき

いろんなバックグラウンドの人がいる中で、暗黙の了解ではなくてちゃんと「どう考えているか」「どういう思考プロセスでそうしているのか」を伝えて、「だからこうやっていきましょう」というコミュニケーションが大事だなと思いながら日々仕事に取り組んでいます。

これからパパゲーノで挑戦したいこと

やすまさ
やすまさ

これからパパゲーノで挑戦したいことや意気込みを聞かせてください。

まき
まき

ひとつは、パパゲーノの「ワーク&リカバリー」をもっと広めていきたいという思いがあります。物理的に事業所を増やすことかもしれないし別の手段かもしれませんが、「ワーク&リカバリー」という概念がすごくいいと思っているので、広めていきたいです。

やすまさ
やすまさ

いいですね。

まき
まき

会社全体としては、自分でできることをもっと増やして、新しいことや「もっとこうしたい」と思って進んでいくことにしっかりついていけるようになりたいです。

やすまさ
やすまさ

相談支援事業を作るとか将来的には就労移行支援を始めるとかAIの取り組みを広めるとか、まだまだ未知のチャレンジがありそうですよね。

まき
まき

そうですね。そういう新しいことにもどんどん挑戦していきたいです。

やすまさ
やすまさ

頑張ってミッションを作ります。一緒にやっていきましょう。

まき
まき

はい、一緒に頑張りましょう。

やすまさ
やすまさ

今日は、ありがとうございました!

このインタビューはYouTubeにて動画でも見ることができます。

パパゲーノで働きませんか? 見学・相談はこちら!