介護の現場から放課後等デイへ。東京都世田谷区・千歳船橋にある肢体不自由児に特化した放課後等デイサービス「アプリ児童デイサービス桜丘」で児童発達支援管理責任者を務める水戸眞由美さんは、車椅子で暮らす肢体不自由の子どもの気持ちと親の願いとの間を丁寧に橋渡しする日々を送っています。
子どもたちの笑顔に出会える喜びと、医療的ケアまで担う責任。その支援現場のリアルとやりがいを伺いました。
事業者名 | アプリ児童デイサービス桜丘 |
サービス種別 | 児童発達支援・放課後等デイサービス |
法人名 | AHCグループ株式会社 |
住所 | 東京都世田谷区桜丘2-21-3 ホーエーフラット1F |
アクセス | 小田急線「千歳船橋駅」(南口)より徒歩2分 |
送迎エリア | あり。※一部難しい場合がございますのでご相談ください。 |
定休日 | 12/31〜1/2 |
定員 | 10名/1日 |
電話番号 | 03-6432-6812 |
事業者番号 | 1351200546 |
公式サイト | https://apuri-today.jp/ |
放課後デイサービスの楽しさに惹かれ桜丘へ

まずは自己紹介と、アプリ桜丘で働き始めたなったきっかけをお願いします。

アプリ桜丘で児童発達支援管理責任者(児発管)をしています、水戸眞由美と申します。今年で7年目になります。
アプリ桜丘で働く前は、知的障害のある方の施設で2年間アルバイトをしていました。そこで放課後デイサービスの楽しさを知り、ちょうど転職を考えていたこともあって、アプリ桜丘に社員として入社しました。

子どもと関わる楽しさが支援を続ける原点に

障害のある方の支援に関わろうと思ったきっかけは何ですか?

もともと介護現場で在宅ヘルパーをしていました。その中で障害児への支援も経験し、子どもとの関わりがとても楽しくやりがいがあると感じたんです。
その後は障害者雇用の子会社の立ち上げやマネージャー業務も経験したり、ケアマネの業務に就いたりしました。「子どもと関わる現場に戻りたい」という思いが奥底にあった中で、たまたま近所に新しく放課後デイサービスが立ち上がることになり、ケアマネの仕事をしながらアルバイトで働き始めました。

子どもの笑顔が支援の何よりの魅力

大人と子どもの支援の違いで、特に魅力に感じている点はありますか?

一番の魅力は「笑顔」です。笑顔が出てくると本当に嬉しくて。
特に肢体不自由児の子どもは自分の気持ちを言葉でうまく伝えることが難しい方も少なくありません。笑顔で応えてくれる瞬間が大きな喜びになります。

子どもの場合、自分で気持ちを伝えることがうまくできないことも少なくないかと思います。
その上に肢体不自由の方だと、より難しさはありそうですね。

思うように体を動かせないからこそ、「どうすれば楽しんでもらえるか」「どうすれば笑顔になってもらえるか」を常に考えながら関わっています。
やりがいがあり、子どもの笑顔が返ってくると、本当に嬉しくなる仕事です。

肢体不自由児の支援は「視界を変えること」が重要

肢体不自由時の支援をする上で、どんな工夫をされているのでしょうか?

一番意識しているのは「視界を変えること」です。
車椅子に長く座っていると、どうしても景色も動きも限られてしまいます。そこで外に散歩に出たり、一緒に体を動かしたりして、少しでも視点を変えられるように工夫しています。
ストレッチのように手や足をしっかり伸ばすことも大切にしています。座れる子があまり多くない中で、視界や体の動きを意識して変えてあげることを心がけています。

具体的にこれまでの支援で印象に残っていることはありますか?

放課後デイは小学校1年生から高校3年生までと、12年間という長い期間子どもたちと関わります。
小さい頃は抱っこできていた子が、成長して体が大きくなり、もう抱っこできなくなる。その変化をすぐそばで見守れるのは、大きな喜びです。
私の声に反応してくれるようになった子がいた時には、「あ、この子は私のことを分かってくれているんだ」と感じて、本当に感動しました。

親御さんの希望と子どもの気持ちの橋渡しをする

学校の勉強については、何かご支援はされていますか?

学校の療育をお願いしたいと言われることもあるのですが、子どもたちにとって放課後等デイサービスは「楽しむ場所」「遊ぶ場所」という認識が強いのでなかなか難しいことも多いです。

親御さんの希望と、子どもの気持ちとを汲み取って調整しているのでしょうか?

そうですね。親御さんたちの想いは強いです。
例えば「自分で食べられるようになってほしい」という希望があっても、実際はなかなかできません。子どもの気持ちがそっちに向きません。
でも、親御さんたちから言われている以上はやっぱりやらなければいけない。でもできない。児発管としてはそのジレンマがあるんです。
まずはスプーンを持つことから始めて、少しずつ段階を踏みながら親御さんの思いにできる限り応えられるよう工夫しています。「スプーンが1つ持てるようになった」だけでも良いんです。それが口に運べなくてもまずは持つということからスタートする。そこから徐々に徐々に口に持っていけるように介助していく
それで親御さんたちの想いに応えていけるよう、時間をかけて長いスパンで考えていただくようにしています。

親御さんとは普段から連絡帳などで連絡を取りあっているのでしょうか?

日々の連絡帳でのやり取りに加えて、半年に一度は親御さんと面談を行います。
その場でいろんなお話を伺い、信頼関係を築くことを心がけています。面談は、こちらからしっかり思いを伝えたり、逆に親御さんの想いを引き出したりできる大切な機会になっています。

医療的ケア児を受け入れられるよう技術を学ぶ

支援の質を高めていくために、ご自身で勉強されていることや取り組まれていることはありますか?

支援に関しては技術が必要です。介護福祉士の資格を持っているので介護技術には自信がありますが、最近は医療的ケアの研修にも取り組んでいます。
アプリ桜丘は2,3年前から看護師が常勤になって医療的ケア児を受け入れられる体制にしています。喀痰吸引や経管栄養、胃ろう、導尿といった医療的ケアを必要とするお子さんが増えているため、現場でしっかり対応できるよう日々勉強を重ねています。

すごいですね。
研修はいつ受けているんですか?

朝一時間早く起きて動画学習やテスト勉強に取り組むのは大変ですが、子どもたちのために欠かせない大切なことだと感じています。

体力が必要そうですね。

アプリ桜丘の仕事は体の疲れも出てくるので、頭の疲れと体の疲れが両方くるのが大変ですね。

「子どもが好き」という気持ちが一番大切

最後に、放課後等デイサービスの仕事に興味がある方にメッセージをお願いします!

やはり「子どもが好き」という気持ちが一番大切だと思います。
最初から完璧にできる人はいませんが、ここには丁寧に指導してくれるスタッフがいますし、子ども一人ひとりに合った関わり方を学ぶことができます。
「子どもが好き」という思いさえあれば、十分に挑戦できる仕事だと思います。


アプリ桜丘で児発管を務める水戸眞由美さん。取材の中で、放デイならではの長期的な関わりを通して、子どもたちの成長を間近で感じられることが大きな喜びだと語る一方、親御さんの思いと子どもの気持ちの間で調整に苦労する場面もあり、日々工夫を重ねていることを体感できました。「子どもが好き」という気持ちさえあれば十分に働ける、というメッセージも勇気づけられるものがありました。
アプリ桜丘にご興味ある方は、ぜひ下記の公式ホームページよりお問い合わせいただければと思います!